“のぼり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
82.8%
2.9%
2.9%
2.3%
1.1%
竿幟1.1%
紙幟1.1%
上舟0.6%
上騰0.6%
乃保里0.6%
0.6%
幟旗0.6%
旗幟0.6%
登旗0.6%
0.6%
0.6%
鯉幟0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其家は大正道路からある路地に入り、汚れたのぼりの立っている伏見稲荷の前を過ぎ、溝に沿うて、なお奥深く入り込んだ処に在るので
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
覚悟かくごのことで、あし相応さうおう達者たツしや、いやくつせずにすゝんだすゝんだ。すると、段々だん/″\またやま両方りやうはうからせまつてて、かたつかへさうなせまいことになつた、ぐにのぼり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なぜ午までに着かなくっちゃならないんだか、訳が分らないが、聞いて見る勇気がなかったから、黙って食っついて行った。するとなるほどのぼりになって来た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また我等のゐたる處にては、夜はそののぼりの二歩を終へ、第三歩もはやその翼を下方に枉げたり 七—九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そして平気でおのぼりなさると、機運が助けて、6295
千住せんじゅ大橋おおはしで真ん中になる丸太まるたを四本、お祭りの竿幟のぼりにでもなりそうな素晴らしい丸太を一本一円三、四十銭位で買う、その他お好み次第の材料が安く手に這入りました。
紙幟のぼりの鍾馗といふもめツけへした中揚底で折がわりい」とか、乃至は「腹は北山しぐれ」の、「何で有馬の人形筆」のといつた類で、いかにも下品であるが、併しポエチカルだ。
余が言文一致の由来 (旧字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)
しきりと、ひきとめたが、皆、胸がいたんで長居ができなかった。芝村しばむらの腰かけ茶屋へ来て、昼飯ひるをつかい、淀の上舟のぼりの時刻を聞いて、それまで、奥の床几しょうぎで一眠りしていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地気天に上騰のぼりかたちなして雨○雪○あられみぞれひようとなれども、温気あたゝかなるきをうくれば水となる。水は地の全体ぜんたいなればもとの地にかへるなり。
此処有乃保里のぼり。是有罪人曝道路時、紙旗記罪状、書姓名、先以竿棒‐持此旗。斯徒毎日輪次掃‐除二条城外之塵埃。是出不浄者也。
エタ源流考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
……外套の袖を振切って、いかのぼりが切れたように、穂坂は、すとんと深更しんこうの停車場に下りた。急行列車が、その黒姫山のふもと古駅こえきについて、まさに発車しようとした時である。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
浮浪者たちから、お上人さまと呼ばれている者こそ、幟旗のぼりに書いてある同苦坊という僧侶であろう。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い方は別に煙草も喫みたがらず、腰もかけたがらずに、しきりに馬場の景気、桟敷の幔幕、真黒く波を打つ人出、八幡宮の旗幟のぼり、小屋がけの蓆張むしろばりなどを、心持よかりそうにながめていました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
稲荷の登旗のぼりに、大書を頼まれることが度々あって、父は幼年から亀田鵬斎や、その他の書家たちから可愛がられ、六、七歳の時分から、絵のたちがよいというので師匠の国年や芳幾よしいく
凶作でも無い限りは、早くから用意をして、家々では鯖の鮓をしこみ、甘酒の香が到る処にたゞよひ、子供は飽きるほど物を食べて、静かに大のぼりの秋風にはためく音を聴いた。
祭のさまざま (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
また息長眞手おきながまての王が女、比呂ひろ比賣の命に娶ひて、生みませる御子、忍坂おさか日子人ひこひと太子みこのみこと、またの名は麻呂古の王、次に坂のぼりの王、次に宇遲うぢの王三柱。
一期一会 もはや、五月さつきの空には、あの勇ましい鯉幟のぼりが、新緑の風を孕みつつ、へんぽんと勢いよく大空を泳いでいます。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)