“のぼせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
逆上85.7%
上気7.1%
上氣2.0%
上衝2.0%
上熱1.0%
1.0%
逆気1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれが、八の惡い癖だよ。尤も一日に二つも三つも岡惚を拵へる野郎だから、取り逆上のぼせても、心中や夜逃げをする氣遣けえはねえ」
高島田に園子の嫁入衣裳を借り着したおしもは嬉しさからすっかり上気のぼせてしまって、廊下のあたりや勝手元をうろうろ歩きまわったりした。
女心拾遺 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
「お富はすつかり上氣のぼせて居るから、河内屋へ歸るにしても、佐吉と一緒でなきや嫌だつて言ふに決つて居ますよ。油屋は派手にはやつて居るが、内輪は火の車だ。河内屋へ乘込むとなれば、あんな世帶は猫の子にやつても惜しくはありませんぜ」
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
母、生みの母、上衝のぼせで眼を悪くしてる母が、アノ時甚麽どんなに恋しくなつかしく思はれたらう! 母の額に大きなきずがあつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
 私達は、あんまり上熱のぼせすぎたんだ。
胚胎 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
世界に著名なだかき美人のお手から、せめて腐れたすみれの花束でも、一つ投げられて終生の護符おまもりにしよう、席料の三百フラン、五百法は嫌うところにあらず、とのぼせあがってぞ控えたり。
時次郎はれ馴れしく、「堪忍おしよ。驚いたろう可哀そうに。」「は、い。」とただ逆気のぼせる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)