“ねんごろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
81.6%
懇切3.1%
念頃3.1%
慇懃3.1%
2.0%
念比2.0%
懇篤2.0%
優渥1.0%
懇意1.0%
懇親1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われ半面を扇にて蔽ひつゝ、その乙女を呼び止めて、長崎へ行く道を問ふに、乙女は恥ぢらひつゝ笠を取り、いとねんごろに教へ呉れぬ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
離れて涅槃ねはんの道に引導すべければ是より我がいほりに參られよとて夫より上新田村の無量庵へ同伴どうはんなし懇切ねんごろに弔ひければ安五郎はあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
九郎兵衞に頼みあとの事まで念頃ねんごろに話しける九郎兵衞故意と斷り云しか共女房の親類しんるゐ共打寄いや癩病らいびやうにては村へ置れぬ定法ぢやうはふなれば是非共跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし老樵夫は同じような事を、慇懃ねんごろに繰り返すばかりであった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
他の国にゆかしめば、必ずも後のわざはひとなるべしと、ねんごろに教へて、又商鞅をひそかにまねき、吾汝を一三四すすむれども王ゆるさざる色あれば、用ゐずばかへりて汝を害し給へと教ふ。
尚々なほなほこの与右衛門よゑもん、御国へも可参まゐるべく候間、被成御心付おこころづけなされ候て被下くだされ候はゞ、可忝かたじけなく候、以上 其後者そのごは以書状不申上しよじやうをもつてまをしあげず背本意ほんいにそむき奉存候、拙者も今程、肥後国へ罷下まかりくだり、肥後守念比ねんごろニ申候ニ付而、逗留仕居候
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相立懇篤ねんごろとふらひ遣し候と云に兩士りやうしは是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「臣は優渥ねんごろなお言葉を賜りながら、覚えず酔いすごして、礼儀を失いました。どうかおゆるしくださいますように。」
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
どうやら懇意ねんごろになったらしいと、狭い村のことではあり、すぐに評判が立ってしまった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
多年東京で懇親ねんごろにしていた知人がつい二十日はつかばかり前、自分も田舎に往って流行風邪はやりかぜせっている時に流行感冒であえなく死んだということが強く胸に刻みつけられているので
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)