“にっこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
莞爾87.6%
嫣然7.3%
微笑2.2%
嫣乎0.7%
莞然0.7%
嬌然0.7%
艶然0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言って莞爾にっこりとして、えてとがめることをしませんでした。お君が給仕としてこの室に入ることを許されている唯一の者であります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
歌ちゃんまだ着更ないの、でもすぐ行く待てと云うのだものと嫣然にっこり笑えば、そう、ひどく酔されちゃったと今来たのもまた嫣然笑ってようやく坐った。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ところへ、馬喰の言草があれでしょう——源が微笑にっこりする訳なんです。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その米友の異様な叫び声を聞いた女は、こちらを向いて、嫣乎にっこりと笑い
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それと気がつくと女は、嫣乎にっこりと笑い
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
莞然にっこりともせず帽子も被ッたままで唯鷹揚おうよう点頭てんとうすると、昇は忽ち平身低頭、何事をか喃々くどくどと言いながら続けさまに二ツ三ツ礼拝した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
坐舗へ這入りざまに文三と顔を見合わして莞然にっこり、チョイと会釈をして摺足すりあしでズーと火鉢のそばまで参り、温藉しとやかに坐に着く。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
嬌然にっこり笑っているいやらしい笑い方が、だんだんとお絹の面になってくると、肉体そのものまでが異人ではない、明暮あけくれ自分のそばにいるあの模範的の淫婦娼婦だ。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
躊躇ためらっていたらしい静子が、信一郎の顔を見ると、艶然にっこりと笑って、はち切れそうなうれしさを抑えて、いそ/\とけ降りて来るのであった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)