“にこにこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
莞爾々々46.7%
莞爾17.8%
莞爾莞爾17.8%
微笑4.4%
嫣然2.2%
和々2.2%
欣〻2.2%
莞々2.2%
莞然2.2%
莞爾〻〻2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども、お勢は何とも云わず、また向うを向いてしまッたので、やや顔をらして、きまりわるそうに莞爾々々にこにこしながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
帳場のやうなところにゐる女は、いつも愛想よく莞爾にこにこしてゐるが、母などよりもいい著物きものを著てゐる。僕が恐る恐るその女のところに寄つて行くと女は僕に菓子を呉れたりする。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ひたいも、目も、眉も、そのいずれも莞爾莞爾にこにことして、文珠もんじゅ微笑ほほえんでまします。第一獅子が笑う、獅子が。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あゝ、今日会いましたよ。」と、微笑にこにこしながら、私の顔を見て言う。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
見ればお葉は嫣然にこにこして、相変らず小手招ぎをしている。市郎は黙って霎時しばらく睨んでいた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、誰の考慮かんがえも同じことで、ここで何時いつまで争った所で水掛論に過ぎない。これだけに釘を刺して置けばいと思ったのであろう、お政は相変らず嫣然にこにこ笑いながら、更に話をほかそらした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼を想うても決して暗い感じがなく、いまもなお和々にこにことして対座するに似ている。多磨墓地には父秀松、姉道子と倶に第八区2側5番地に、墓地という町つづきの一軒に住んでいる。……
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
欣〻にこにことして投出なげだす、受取る方も、ハッ五万円、先ずこれ位のものをお納めして置きますればわたくしも鼻が高うございますると欣〻にこにこして受取る。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼は何時いつ莞々にこにこしながら誰とでも話をするにもかかわらず、誰も彼の素性を知る者はなかった。だから、彼は結局誰とも話をしないのと同じであった。
運命について (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
おもむろに質問すべき事こそあれと、あらかじめその願意を通じ置きしに、看守は莞然にこにこ笑いながら、細君さいくんを離したら、困るであろう悲しいだろうと、またしても揶揄からかうなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
素通すどおし眼鏡をかけたイナセな村の阿哥あにいが走る。「ありゃ好い男だな」と他村の者が評する。耳の届く限り洋々たる歓声かんせいいて、理屈屋の石山さんも今日きょうはビラを書き/\莞爾〻〻にこにこ上機嫌で居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)