“なんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナンジ
語句割合
64.2%
15.4%
何時13.7%
1.7%
難事1.7%
0.7%
0.3%
何字0.3%
0.3%
吾女0.3%
汝子0.3%
汝爾0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち使いが都から博徳と陵の所に飛ぶ。李陵は少をもって衆を撃たんとわが前で広言したゆえ、なんじはこれと協力する必要はない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「ああ、大神はわれの手に触れた。われは大空に昇るであろう。地上の王よ。我れを見よ。我はなんじらの上に日輪の如く輝くであろう。」
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
冷吉はそんな時に、何時なんじとも分らない夜ふけの中に、いろんな事をまんじりと考へて、仕まひに淋しくなると寢入つてゐる母を呼んだ。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
なんじに筧の水の幽韻ゆういんはない。雪氷をかした山川の清冽せいれつは無い。瀑布ばくふ咆哮ほうこうは無い。大河の溶々ようようは無い。大海の汪洋おうようは無い。儞は謙遜な農家の友である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それでもかれ強健きやうけん鍛練たんれんされたうでさだめられた一人分にんぶん仕事しごとはたすのはやゝかたぶいてからでもあなが難事なんじではないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
子曰く、なんじ(汝)なんわざる、その人とりや、発憤して食を忘れ、楽しみて以て憂いを忘れ、老いのまさに至らんとするを知らざるのみと。(述而じゅつじ、一八)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
けれども着手の處、着手の處とり詰めて、人々各自が其の志す所の道程に於て或點を認め出した方が妙味が有るで有らう。なんじすねあり、伱、歩むべし、伱、手あり、伱、捉る可しである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
れが文字とは合点がてんかぬ。二十何字なんじを覚えて仕舞しまうにも余程手間がかかったが、学べば進むの道理で、次第々々に蘭語のつづりわかるようになって来た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
時に夫、得おわって、その妻に告げていわく、なんじは天女のわれに宝を賜うがごとし、汝この宝を蔵せるをわれなお知らず、いわんやまた他人においておや、と
きょうす。顔渕後れたり。子曰く、吾女なんじを以て死せりと為せりと。曰く、子います。回や何ぞ敢て死せんと。——先進篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この人またいわく、われ方便を知る、よく汝子なんじに示さん、と。女人答えていわく、わが家大小ともなおみずから知らず、いわんや汝よく知らんや、と。この人またいわく、われ今つまびらかにくす、と。
「神は汝爾なんじの心の裡にある」といった宗教の教えは同じことを述べているのです。日本では幸い茶道がこの真理を吾々に教えました。
民芸の性質 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
而るを誰とともにか之をえん。且つなんじその人をくるの士に従わんより、豈に世をくるの士に従うに若かんやと。ゆうしてまず。子路行きて以て告ぐ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ここおいテ項王すなわチ悲歌慷慨こうがいシ自ラ詩ヲつくリテいわク「力山ヲ抜キ気世ヲおおフ、時利アラズ騅カズ、騅逝カズ奈何いかんスベキ、虞ヤ虞ヤなんじ奈何いかニセン」ト。歌フコト数けつ、美人之ニ和ス。項王なみだ数行下ル。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)