“なりもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナリモノ
語句割合
鳴物87.5%
楽器4.2%
熟果4.2%
音楽4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向揚幕むこうあげまくより役者の花道に出でんとする時、大向う立見たちみの看客の掛声をなすは場内の空気を緊張せしむるに力ある事うた鳴物なりものまさる事あり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは信者の婦人が楽器なりものりで、白装束しろしょうぞくはかま、下げ髪で踊るのだった。なにしろ物見高い土地だから人だかりはすぐする。
その乳房をみずみずしい果物の熟果なりもののように胸にぶら下げてぷりぷり震わせながら二三人ずつも向き合って身体を洗っている日本のお湯屋の内部の女。女の乳房というものは賑やかなものだ。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
殊に旦那と一緒に暫らく欧羅巴にらしつたから、毛唐の言葉も達者で黄鳥うぐひすのやうな声でベラ/\お咄しなさる。其上に音楽なりものがお上手で、ピアノとかは専門家しやうばいにんに負けないお伎倆うでまへださうだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)