“なじみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馴染95.4%
昵懇1.7%
狃染1.0%
三回0.2%
三回目0.2%
0.2%
狃除0.2%
知人0.2%
知己0.2%
親近0.2%
面識0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
話し手の方の青年は馴染なじみのウエイトレスをぶっきら棒な客から救ってやるというような表情で、彼女の方を振り返った。そしてすぐ
ある崖上の感情 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
彼は今日こんにちまで、俗にいう下町生活に昵懇なじみも趣味もち得ない男であった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
剥げた八寸膳の上に薄汚ない茶碗が七ツ八ツ……それでも夏は海から吹き通しだし、冬の日向きがよかったので、街道通いの行商人なぞがスッカリ狃染なじみになっていた。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二回うらにはやはり玉琴の客と一緒に来た。三回なじみを過ぎてからは一人でたびたび来るようになった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その次の夜には三回目なじみを付けた。三回目の朝には八橋が大門口おおもんぐちまで送って来た。三月ももう末で、仲の町の散る花は女の駒下駄の下に雪を敷いていた。次郎左衛門もその雪を踏んで、一緒に歩いた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこへ矢島玄碩の二女、優善やすよしの未来の妻たる鉄が来て、五百に抱かれて寝ることになった、蜾蠃からの母は情をめて、なじみのない人の子をすかしはぐくまなくてはならなかったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
アトは丸山にて貴様の狃除なじみをば喜ばしょうと思うに、要らん事に全快ようなったりして俺達をば非道ひどい眼に合わせる。捕らぬ狸の皮算用。夜中三天のコッケコーコーたあ貴様ぬしが事タイ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ハテナ、近所のやつに貸た銭でもあるかしらん。知人なじみも無さそうだし、貸す風でもねえが。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まはまづ知己なじみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その後は和田の岬より古き親近なじみの金剛信貴しき生駒いこまの諸山に別れてただ我が一心を主として行くこととなりました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかしこう申してはいかがでございますが、私にはどうしても浅日ちょっとのお面識なじみの方とは思えませんよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)