“なげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナゲ
語句割合
42.8%
15.0%
13.6%
9.2%
4.5%
3.4%
2.6%
1.8%
無気1.6%
1.3%
0.8%
0.5%
無氣0.5%
0.5%
0.3%
長押0.3%
0.3%
0.3%
悲嘆0.3%
歔欷0.3%
無下0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この変った姿で帰ったら、この月のうちには祝言をしようと言うことになっていた、許嫁いいなずけのお新はどんなに驚きなげくことでしょう。
をしまずなげきしが偖ては前夜の夢は此前兆ぜんてうにて有りけるか然し憑司殿か案内こそ心得ぬ豫て役人をこしらへての惡巧わるだくみか如何せんとひとり氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のあるいは世をなげき、時をののしり、危言きげん激語げきごして死にく者の如き、壮は則ち壮なりといえども、なおこれ一点狂激の行あるを免れず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ドクトルは其後そのあとにらめてゐたが、匆卒ゆきなりブローミウム加里カリびんるよりはやく、發矢はつしばか其處そこなげつける、びん微塵みぢん粉碎ふんさいしてしまふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「なア、東作、夜はなげえ、まず御輿みこしを据えて飲むがいい。——そのうちにはお富も、一と晩経てば、一と晩だけ年を取るというものだ」
猫頭巾——なげ頭巾のいずれでもなく、まして女性の専用とした突盔とっぱい頭巾のいずれでもなく、近代形の韮山にらやま頭巾でもない。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
左門慌忙あわてとどめんとすれば、陰風いんぷうまなこくらみて行方ゆくへをしらず。俯向うつぶしにつまづき倒れたるままに、声を放ちて大いになげく。
是から一緒に逃去って、なげえ浮世にみじけえ命、己と一緒に賊を働き、栄耀栄華えようえいが仕放題しほうだいを致すがよい、心を広く持って盗賊になれ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つくだの者で四十男、伊勢新の釣に網のお供をさせられますが、金にはなっても、人も無気なげな豪勢振りが、少し小癪こしゃくに障っているらしい口吻くちぶりです。
千登世は思ひ餘つて度々おさへきれないなげきをらした。と忽ち、幾年の後に成人した子供が訪ねて來る日のことが思はれた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼女になげつけてやりたいやうな烈しい嫉妬と怒とを感じた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
新羅使の一行が、対馬つしま浅茅浦あさじのうら碇泊ていはくした時、順風を得ずして五日間逗留とうりゅうした。諸人の中でなげいて作歌した三首中の一つである。浅茅浦は今俗に大口浦といっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あまりと言へば人も無氣なげな増長で、さすがに私も我慢がなり兼ね、運座の席を早くきり上げて、お染と松五郎の逢引の現場を取つて押へ、父親にも見せて、何が何んでも話をつけようと思ひました
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
これらの事どもをも 菅神の祟なりと世に流布るふせしは 菅公の冤謫ゑんてきを世の人あはれみなげきたるゆゑとかや。
孝陵の山川さんせんは、其のふるきに因りて改むるなかれ、天下の臣民は、哭臨こくりんする三日にして、皆服をき、嫁娶かしゅを妨ぐるなかれ。諸王は国中になげきて、京師に至るなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸王は国中になげきて、京に至るを得る無かれ、と云えるは、けだその諸王其の封を去りて京に至らば、前代の遺孽いげつ、辺土の黠豪かつごう等、あるいは虚に乗じて事を挙ぐるあらば、星火も延焼して
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
所がその内にどう云ふ拍子ひやうしか、彼のついた金羽根きんばねが、長押なげしのみぞに落ちこんでしまつた。彼は早速さつそく勝手から、大きな踏み台を運んで来た。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さうしてその上へ乗りながら、長押なげしの金羽根を取り出さうとした。その時私はせいの低い彼が、踏み台の上に爪立つまだつたのを見ると、いきなり彼の足の下から、踏み台をわきはづしてしまつた。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼の面容かおかたちを変らせていやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、卑賤いやしくなるもまたこれをさとらざるなり、ただ己みずからその心に痛苦いたみを覚え己みずからその心になげくのみ
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかもわれはこの経過をなげかず哀(かな)しまざるなり。われはこの損失を償いて余りある者を得たり。すなわちわれは思想なき児童の時と異なり、今は自然を観ることを学びたり。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
其樣そのやう取亂とりみだして悲嘆なげかしゃるは、たゞしうあいさっしゃる所以ゆゑんい。
庚午かのえうま、皇子大津を訳語田をさだいへ賜死みまからしむ。時に年廿四。妃皇女山辺みめひめみこやまべみくしくだ徒跣すあしにして、奔赴はしりゆきてともにしぬ。見るひと歔欷なげく。皇子大津は天渟中原瀛真人あまのぬなかはらおきのまひと天皇(天武天皇)の第三みこなり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
む者が、主を殺させて安閑と生きながらえることができると思われるか、元親公は無下なげに愚かな人じゃ、飴で小供を釣るような申されようじゃ
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)