“なかみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
内容26.8%
中身22.5%
中実15.5%
中味11.3%
刀身9.9%
内部4.2%
内身2.8%
中真1.4%
中見1.4%
内実1.4%
内實1.4%
肉身1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
運ぶんだぜ。そんな時に、内容なかみが水でないなんて、誰が気がつくものか。俺はマシュースの言葉は信用しないよ。奴は冗談に云っただけだよ
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黒い頭巾ずきんをかぶって、姿はだかい修道士イルマンだが、中身なかみ裾野すその蚕婆かいこばばあだ。たきびで焼いたうさぎの肉をひとりでムシャムシャべている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかし、クヮイズ侍が、どれほど陳腐ちんぷな頭なりや、西瓜すいかではないが、叩いて中実なかみを試みるのも一興だぞ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふくろじゃねえよ。おいらのせるなこの中味なかみだ。文句もんくがあるンなら、おがんでからにしてくんな。——それこいつだ。さわったあじはどんなもんだの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
こうなると、ぜひ刀身なかみが拝見したくてぞくぞく致してまいる。お刀は?
稲生播磨守 (新字新仮名) / 林不忘(著)
で、この館はその内部なかみ外見みかけと同じように寂しくなり、蒼然となり恐ろしくさえなった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もちろん内身なかみはからっぽだったが、二宮の駅を出て何気なくポケットに手を入れ、それを発見したときの不思議なお伽噺とぎばなしじみた快感と驚愕きょうがくとを、ぼくはいまだに忘れることができない。
煙突 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
打根うちねのごとし、打根は射る物でなく手に掛けて人に打ち付くる物なり、尚宗とある銘の彫刻および中真なかみの体、秀郷時代より甚だ新しいようだから、臣寺僧に問うに、この鏃は中世蒲生家よりの贈品で
現代の木曽の馬市は、九月行なわれる中見なかみの市と、半夏至を中にして行なわれる、おけつげという二つしかない。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自然と眠りがめかかってうめいた太い男の声、それから又あの手を真赤にして玩具をいじる様に、人間の内実なかみをいじって居た髭むじゃな医者の顔、あれこれと
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ヂュリ 内實なかみの十ぶん思想しさうは、言葉ことばはなかざるにはおよばぬ。かぞへらるゝ身代しんだいまづしいのぢゃ。わしこひは、分量ぶんりゃうおほきう/\なったゆゑに、いまその半分はんぶんをも計算かんぢゃうすることが出來できぬわいの。
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)