“ついじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
築地51.9%
築土34.6%
築泥4.9%
築墻3.7%
土墻2.5%
磚𤗼1.2%
築泥塀1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
築地ついじへいだけを白穂色しらほいろにうかべる橘のやかたに、彼女を呼ばう二人の男の声によって、夕雲はにしきのボロのようにさんらんとして沈んで行った。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そうして、そのあとにはまた、太刀音と矢たけびとが、天をおおういなごの羽音のように、築土ついじにせかれた小路こうじの中で、とめどもなくわき返った。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
道の右手には破れかかった築泥ついじがあった。なかをのぞくと、何かの堂跡でもあるらしく、ただ八重やえむぐらが繁っている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「はい。昔の築墻ついじでございます。これで千年からたっています」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
澄みて悲しき笛の土墻ついじは立ちて反響を伝へ
南無三なむさんしてやられしと思ひしかども今更追ふても及びもせずと、雉子を咬へて磚𤗼ついじをば、越え行く猫の後姿、打ち見やりつつ茫然ぼうぜんと、噬み合ふくちいたままなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
櫓門のついた築泥塀ついじを長々とひきまわし、邸のつくりは本願寺の飛雲閣のをとり、いちばん上を四方窓のついた物見のような閣室にこしらえ、十畳つづきの二間に絵襖をひき
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)