“ちり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チリ
語句割合
88.9%
地理2.4%
2.0%
1.8%
1.3%
1.3%
塵埃1.1%
塵埃塚0.2%
屍体0.2%
微塵0.2%
0.2%
菽乳羮0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取り付きの角の室を硝子窓ガラスまどから覗くと、薄暗い中に卓子テーブルのまわりへ椅子いすが逆にして引掛けてあり、ちりもかなりたまっている様子である。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
うと、四五十二、四六十三、四七——オヤ!そんな割合わりあひでは二十にならないわ!けど、乘算じようざん九々ひやうあてにならないのね。今度こんど地理ちりはうよ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ちりの身体付の何処となく暖かく重いような具合やら、これに対すると何となく芸者らしくない濃厚と自由の気味合を感じるのが
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
十月もなかばを過ると、落葉の早い碧梧桐あおぎり、朴、桜などはほとんどちり尽し、ほかの樹木も枝がうすくなって、透いて見える秋の空がくっきりと高かった。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
夏の日にてらされて、墓地の土は白く乾いて、どんなかすかな風にもすぐちりが立ちさうである。わたしの記憶も矢張やはりこの白い土のやうに乾いてた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
みちに迷いて御堂みどうにしばしいこわんと入れば、銀にちりばむ祭壇の前に、空色のきぬを肩より流して、黄金こがねの髪に雲を起せるは
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
塵埃ちりが山のように積っていたが、ほうきをかけ雑巾ぞうきんをかけ、雨のしみの附いた破れた障子をり更えると、こうも変るものかと思われるほど明るくなって
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
あちこちで塵埃塚ちりのなかからパンの皮を掘り出し、それをふいてから食べ、終日かぎで溝をかきまわしては一文二文をあさり、楽しみとしてはただ、国王の祝日の無料の見世物と
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
ナイシイの屍体ちりは、地の虫どものなかに朽ち果てよ。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
和「うるさいの、えゝゝこうッと、大きなものですなア、金三十四両二分と七百四十八文に成りますが、旦那様大きなものですなア、微塵ちり積って山となるのたとえの通り、十年で是程になります」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「見やしないけれど、着物の上からでも大概分るさ。先からちりだったけれど、この頃は又膨れて来たね」
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いや、色氣いろけどころか、ほんたうに北山きたやまだ。……どうふだ。が、家内かない財布さいふじりにあたつてて、安直あんちよくたひがあれば、……魴鮄はうぼうでもいゝ、……こひねがはくは菽乳羮ちりにしたい。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)