“ちき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
知己69.7%
稚気23.0%
地気1.6%
稚氣1.6%
穉気1.6%
千切0.8%
地紀0.8%
痴戯0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちに某町の豪家で婚礼があって、親戚知己ちきをはじめ附近の人びとがめでたい席へ招かれて御馳走になった。それは秋の夜であった。
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山浦環は、又の名を内蔵助くらのすけともった。まだ二十歳はたちぐらいで、固くかしこまって坐った。黒いひとみには、どこかに稚気ちき羞恥はにかみを持っていた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一節は「地気ちき雪と成る弁」であって、天地の間に、三つのへだてがあって、地に近い温際おんさいから地気が昇って行って冷際れいさいいたって、温かなる気が消えて雨や雪になるという話が書いてある。
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
名物めいぶつ切干大根きりぼしだいこんあまいにほひをなつかしんで、手製てせいののりまきしか稚氣ちきあいすべきことは、あの渦卷うづまき頬張ほゝばつたところは、飮友達のみともだちわらはばわらへ、なくなつたおやどもには褒美はうびあづからうといふ
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『万葉集』の歌は文学的に作為せしものに非れども、穉気ちきありて俗気なき処かへつて文学的なる者多し。『新古今集』には間々佳篇あり。『金槐きんかい和歌集』には千古の絶唱十首ばかりあるべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
すすけた黄褐色おうかっしょく千切ちきがたあるいは分銅形をしたものの、両端にぼんやり青みがかった雲のようなものが見える。ニコルを回転すると、それにつれて、この斑点もぐるぐる回る。
錯覚数題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一体ヱネチアと云ふ土地ではさうせずにはゐられぬ事になつてゐる。君も己もヱネチアの子だから為様しやうが無い。二人の痴戯ちきを窮めるのを見て、レオネルロは微笑ほゝゑんだ。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)