“たんぽぽ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蒲公英76.7%
鼓草16.7%
蒲公5.0%
蒲生英1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青山御所の土手に蒲公英たんぽぽが咲き、濠端の桜が八分通りの見ごろであった。電車に、揃いの花簪はなかんざしと手拭をつけた田舎の見物人が乗り合せた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
川音がタタと鼓草たんぽぽを打って花に日の光が動いたのである。濃くかぐわしい、その幾重いくえ花葩はなびらうちに、幼児おさなごの姿は、二つながら吸われて消えた。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
憐しる蒲公たんぽぽ茎短して乳をうるほす
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
南町の私の家を差覗く人は、薊や蒲生英たんぽぽの生えた旧い土蔵づくりの朽ちかゝつた屋根の下に、渋い店格子を透いて、銘酒を満たした五つの朱塗の樽と、同じ色の桝のいくつかに目を留めるであらう。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)