“たばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タバコ
語句割合
煙草73.0%
17.7%
烟草6.9%
0.5%
紙莨0.5%
巻莨0.3%
噛煙草0.2%
佗波古0.2%
巻煙草0.2%
烟艸0.2%
莨烟0.2%
鎭靜劑0.2%
香片0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私より女だけに、うちの暮し向きを、こまごまと気にしている姉は、自分から母に相談して学校をさがって、煙草たばこ専売局の女工になった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
余は涙の出るほど有難い、早速受け取って、一本の葉巻たばこを燻らせたが、是でも蘇生の想いがある、ナニ空腹も大した苦痛ではない。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
烟草たばこゆらし居たる週報主筆行徳秋香かうとくあきか「渡部さん、恐れ入りますが、おついでにおみ下ださいませんか」「其れがい」「どうぞ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼れ居常他の嗜好しこうなし、酒を飲まず、たばこを吹かず、その烟を吹かざるは、彼が断管吟の詩に徴して知るべし。書画しょが、文房、骨董こっとう、武器、一として彼の愛を経るものなし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蟇の如く胡坐をかいた男は、紙莨たばこの煙をゆるやかに吹いて、靜かに海を眺めて居る。凹んだ眼窩の底に陰翳のない眼が光つて、見るからに男らしい顏立の、年齡は二十六七でがなあらう。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ほほほ、こんな流刑しまながしなら生涯でもようござんすわ——あなた、巻莨たばこ召し上がれな」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
奴等の噛煙草たばこが尽きたとなつたら
奴等の噛煙草たばこが尽きたとなつたら
かの林羅山はやしらざんの如きも、既に煙癖があったと見えて、その文集の中に佗波古たばこ希施婁きせるに関する文章が載っており、またその「莨菪文ろうとうぶん」の中に
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
神崎様が巻煙草たばこの灰を掌にのせて、この灰が貴女には妙と見えませんかと聞くから、私は何でもないというと、だから貴女は駄目だ、およそ宇宙の物、森羅万象、妙ならざるはなく
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
烟艸たばこを薫ゆらせてとほる
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
この女には、船場と同じように自殺するような性格はない、と、左枝は、知らずに重ねてゆく、莨烟たばこのなかでまったく途方に暮れてしまった。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しばらく、この鎭靜劑たばこみ耽つてゐたが、やがて、彼女は、曲つた身體を起し、煙管きせるを口からとると、ぢつと火を見つめたまゝ、極くゆつくりと云つた——
中国語では紅錫包オンシポウというそのルビー・クイーンは香片たばことしては大衆的な安煙草に属する。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)