“たた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タタ
語句割合
27.1%
19.8%
17.4%
11.5%
6.2%
4.1%
3.7%
1.5%
0.9%
0.9%
0.6%
0.6%
0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
多々0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
出立0.1%
殴打0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
出発0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
痛々0.1%
發程0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
堅い棒で肩をたたいたり、肋骨ろっこつをもんだりするのを、ただ読物のせいにばかりした。机によりかかっているからだと厳しくとめられた。
と答へたが、其顔に言ふ許りなき感謝のこころたたへて、『一寸。』と智恵子に会釈して立つ。いそがしく涙を拭つて、隔ての障子を開けた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
東京に近い地方でありながら、村の人たちはかなりに迷信深く、彼の生まれたのは、彼の祖父が猫を殺したたたりだと解釈しました。
白痴の知恵 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「お京さん、いきなり内の祖母ばあさんの背中を一つトンとたたいたと思うと、鉄鍋てつなべふたを取ってのぞいたっけ、いきおいのよくない湯気が上る。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同じく続く歌で、あなたが、越前の方においでになる遠い路をば、手繰たぐりよせてそれをたたんで、焼いてしまう天火てんかでもあればいい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この道では、日本一の名国手こくしゅたたえられているK博士の手術を受けるのであるから、何の不安もなく、経過もきわめて順調であった。
漠北ばくほくからの使者が来て李陵の軍の健在を伝えたとき、さすがは名将李広りこうの孫と李陵の孤軍奮闘をたたえたのもまた同じ連中ではないのか。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
僕は、陳君の奇計に、おもわず手をたたいた。が、考えてみると、この奇計も、やっぱり、少年だけの智慧ちえしかないとおもった。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
少年 お姉様! (馳せ行きて扉をたたく)お姉様! (ヨハナーンの呼び声のみ反響す)お姉様よう。……(泣く。泣く声のみ反響す)
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余は空を仰いで町の真中まなかたたずんだ。二週間の後この地を去るべき今の余も、病むからだよこたえて、とこの上にひとり佇ずまざるを得なかった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが打身のようになって、暑さ寒さにたたられては困るというので、支配頭の許可を得て、箱根の温泉で一ヵ月ばかり療養することになったのである。
温泉雑記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
祭りといえば、どこの地方より、賑うし、酔って、土民が唄うのを聞けば、唄にまで、将門の徳を、たたえている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今の御姿おすがたはもう一里先か、エヽせめては一日路いちにちじ程も見透みとおしたきを役たたぬ此眼の腹だたしやと門辺かどべに伸びあがりての甲斐かいなき繰言くりごとそれももっともなりき。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ある時一尺ばかりなる小蛇来つて、この鐘を尾を以てたたきたりけるが、一夜の内にまた本の鐘になつて、きず付ける所ひとつもなかりけり云々。
そして又太鼓をたたいて踊り始めたのです。けれども馬鹿七は、さつさと山へ上つて行きました。そして土を掘つて叮嚀ていねいに、その杉苗を植ゑました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
あるひは飲過ぎし年賀の帰来かへりなるべく、まばらに寄する獅子太鼓ししだいこ遠響とほひびきは、はや今日に尽きぬる三箇日さんがにちを惜むが如く、その哀切あはれさちひさはらわたたたれぬべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
パストゥールのたくさんの研究のおかげでことに恐ろしい病気に対する医療の方法が進んで来たということを思うと、さすがに学問の尊さをたたえなければならないでしょう。
ルイ・パストゥール (新字新仮名) / 石原純(著)
かれがここへけつけてきたのは、山県蔦之助やまがたつたのすけ遠矢とおや敗北はいぼくがなんとも、ふしんな負けかたであり、しかねるてん多々たたあるので、徳川方とくがわがたの勝ちとさけんだ検証けんしょう一火いっか目付役めつけやくの者に
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これに悚然ぞっとしたさまに、一度すぼめた袖を、はらはらと翼のごとくたたいたのは、紫玉が、可厭いとわしき移香うつりがを払うとともに、高貴なる鸚鵡おうむを思い切った、安からぬ胸の波動で
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここに天の下平ぎ、人民おほみたから富み榮えき。ここに初めてをとこ弓端ゆはず調みつき一四をみな手末たなすゑの調一五たてまつらしめたまひき。かれその御世をたたへて、はつ國知らしし一六御眞木みまきの天皇とまをす。
おとらがしおを見て、用事を吩咐いいつけて、そこをたたしてくれたので、お島はやっと父親の傍から離れることが出来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
したがひし式の女官は奥の入口のしきいの上まで出で、右手めてたたみたるおうぎを持ちたるままに直立したる、その姿いといと気高く、鴨居かもい柱をわくにしたる一面の画図に似たりけり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
すると、長方形の板の下の小さい眼は、芥子粒けしつぶより小さい二粒の涙をたたえているのが見える。
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
二人は目に涙をたたえながら、合衆国人の仁義心に訴えたが、それが容れられないと知ると、穏やかなわずかな抵抗を試みた後、その不幸な運命に服従した。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
家令家扶堪えかね、目配めくばせして、「山本、熊田、其奴そやつたたけ。」と昔取りたる杵柄きねづかにて柔術やわらも少々心得たれば、や、と附入りて、えい、といいさま、一人を担いで見事に投げる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もう二度と私はお目には掛りませんから、今日のところはどうとも堪忍して、つなり、たたくなり貫一さんの勝手にして、さうして少小すこしでも機嫌きげんを直して、私のおわびに来た訳を聞いて下さい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見よう見真似に娘までが、お勢の方を顧みて、これもまた嘲けるようにほほと笑う。お勢はおそろしく赤面してさも面目なげに俯向いたが、十分もたたぬうちに座舗ざしきを出てしまッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と、養母ははだけを出立たたせた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒に酔つて人を殴打たたき、女の足を拝み、よる赤い四角の窓を仰いでは淫獣の如く電線を伝つて忍び込んだのも君だ、幻覚中の君であつた。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
石をたたんで庫裡くりに通ずる一筋道の右側は、岡つつじの生垣いけがきで、垣のむこうは墓場であろう。左は本堂だ。屋根瓦やねがわらが高い所で、かすかに光る。数万のいらかに、数万の月が落ちたようだと見上みあげる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「すると、その三人の客人達は、今日の何時頃に銚子をたたれたのですか?」
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
我国ト世界中トノ貿易ヲたたントスル為メナリ。
ワグナーの伝記を瞥見べっけんするといたいけな少年時代から、天下を敵としてたたかった中年期、功成り名げた晩年に至るまでそれは一篇血紅けっこうの奮闘史であり、獅子ししの魂のあがきであり
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
厭らしく化粧した踊り子がカチ/\と拍子木をたたいて、その後から十六七位の女がガチャ/\三味線を鳴らし唄をうたいながら入って来た。一人の酔払いが金を遣った。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
平田が談話はなすことが出来るものか。お前さんの性質きしょうも、私はよく知ッている。それだから、お前さんが得心した上で、平田を故郷くに出発たたせたいと、こうして平田を引ッ張ッて来るくらいだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
私は肥満った亭主から受取った麦酒のコップをもって、隅の椅子に就くと、不意に肩をたたいたものがあった。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
はじめて瞭乎りやうこたり、てんじて北方を俯視ふしすれば、越後の大部岩代の一部脚下にあつまり、陸地のくる所青煙せいえん一抹、とほく日本海をながむ、たたうらむむらくは佐渡の孤島ことう雲煙をふて躰をあらはさざりしを
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
じふおよびは椅子の下、ぱたりぱたりとたたきますれば
「南無三、好事こうず魔多し」と髯ある人がかろく膝頭を打つ。「刹那せつなに千金を惜しまず」と髯なき人が葉巻のがらを庭先へたたきつける。隣りの合奏はいつしかやんで、を伝う雨点うてんの音のみが高く響く。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
渠は気軽に御者の肩をたたきて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何でも小石川の床店の組合が、たたみに来たと思ったんだそうで、やつは寝耳で夢中でさ、その癖、燃えてる火のあかりで、ぼんやり詰めかけてる人形ひとがたえたんでしょう。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その右臂をたたき折り、生れも付かぬ不具者となり、遂に兵役を免除されて故郷に歸り、八十八歳の今日まで長命して居る。
支那人の文弱と保守 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
筆者は、その「風邪」なるものの意味がわからないので大いに泣いて駄々をねたらしく、間もなく許可ゆるされて跣足はだしで庭に降りると、雨垂れおちの水を足でたたえたりひきを蹴飛ばしたりして大いに喜んだ。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
流れ去り、またたた
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ひどうござんすね……旦那、ア痛々たた、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……雨風あめかぜ猶豫ためらつて、いざと間際まぎはにも、卑怯ひけふに、さて發程たたうか、めようかで、七時しちじ急行きふかう時期じきごし、九時くじにもふか、ふまいか。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
川塲をはつして沼田にかへれば、郡役所、警察署、収税署等の諸員及有志者等、一行の安着を歓迎くわんげいし、たたちに三好屋に於てさかんなる慰労会ゐらうくわいもよふされたり。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
定めし居たたまらぬ想いをしたに違いない、いま物音をさせたのも余りの事に聞きかねて気絶しかけ、身の中心を失って蹌踉よろめいた為ではあるまいか、何うも其の様な音であった。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
布片は幅が十八インチもあったのだから、モスリンではあるが、縦にたたむとか、くしゃくしゃにするとかすれば、丈夫な紐になるだろう。
滝太郎はかつて勇美子に、微細なるモウセンゴケの不思議な作用を発見した視力をたたえられて、そのどこで採獲とりえたかの土地を聞かれた時、言葉を濁して顔の色を変えたことを——前回に言った。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
供養のために、初路さんの手技てわざたたえようと、それで、「糸塚」という記念の碑を。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)