“たいまつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タイマツ
語句割合
松明65.5%
炬火21.7%
松火8.6%
1.6%
火把1.0%
焼明0.3%
松炬0.3%
焚火0.3%
焼松0.3%
続松0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは累々るいるいたる人間の骸骨で、規則正しく順々に積み上げてあった。年を経て全く枯れたる骨は、松明たいまつの火に映じて白く光っていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それをいくらかの金銭に代へて、何か肴と一合ばかりの泡盛を買って、女達はハブに咬まれないやうに炬火たいまつとぼして帰って来る。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
犬の眼は、松火たいまつの焔に向って、くわっと開いているけれど、口から血を吐いているところを見ると、完全に死んでいるのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(貴樣、おれを殺すつもりか、大逆無道者!)とたいまつのやうな眼光で睨まれた、臆しもせず淵邊の野郎が、そのお膝をりつけ、御身體に馬乘りになつて咽喉を突きかけると
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
そして、その影は、彼の馬車が停った時に、火把たいまつの光と入れ換った。それから彼の館の大扉が彼に向って開かれた。
暑いを吸うていたかわらすな鬼魅きみ悪くほかほかしていた。その時莚包むしろづつみ焼明たいまつを持って背の高い男が、を持った角顔の男のほうを見て
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それを聞くと莚包むしろづつみ焼明たいまつを持った背の高い男は、首をすくめるようにして口をつぐんでしまった。そして、一行は無言になってかわらすそへ往った。
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
監物の子作左衛門、松炬たいまつを照して父のかばねを見て居たが、自らも従士五六十を率いて突入して果てたと云う。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
焚火たいまつを先頭に立てゝ一本道を上つて来るので、僕は、ともかく、道の上に傘のやうに腕を伸してゐる老木の(何の木か知らないが)枝に、飛びついて、息を殺した。
今や/\とぞ待ちたりける、夜半過ぐるほどに、雨風一通り過ぎて、電火の激する事ひまなし、しばらくあつて比良ひら高峯たかねの方より、焼松たいまつ二、三千がほど二行に燃えて、中に島のごとくなる物
平家の勢の中に播磨はりま国の住人福井庄の下司げし、次郎太夫友方ともかたと云ふ者、たて続松たいまつにして、在家に火をぞ懸けたりける。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)