“せんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
閃光44.5%
線香6.2%
銓衡5.5%
鮮紅5.5%
先考4.8%
繊巧4.8%
穿孔3.4%
遷幸2.7%
潜行2.7%
潜幸2.1%
詮衡2.1%
専攷1.4%
綫香1.4%
戦功1.4%
浅香1.4%
仙猴0.7%
先后0.7%
千行0.7%
宣高0.7%
川口0.7%
扇港0.7%
撰鉱0.7%
擅行0.7%
潜光0.7%
潜興0.7%
潜航0.7%
潜蛟0.7%
銛綱0.7%
鐫工0.7%
餞行0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盲目的な閃光せんこうが、やたらに、前の空を斬った。ぎりぎりと、歯ぎしりを鳴らして、足と喉の束縛を、ふりほどこうとしてもがくのだった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多くの若い者を使っていた農家では、線香せんこう一本のたつあいだなどという、おかしいほどみじかい時間の昼寝ひるねをさえ規則にしていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
出願者の数はこれまでの記録をやぶって、ほとんど定員の二倍になっていた。それだけにその銓衡せんこうは困難だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
よくれた唇に鮮紅せんこうをさすこと、豐かな髮のあちこちにやはらかな捲毛を描くこと、碧いまぶたの下の睫毛まつげにより深い影をつけることが、まだ殘つてゐた。
それだけは手放さなかった先考せんこうの華族大礼服を着こみ、掛けるものがないのでお飯櫃はちに腰をかけ、「一ノ谷」の義経のようになってしゃちこばっていると、そのころ
予言 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
蘆と水楊みずやなぎの多い綾瀬あやせあたりの風景をよろこぶ自分に対して更に新しく繊巧せんこうなる芸術的感受性を洗練せしめた。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
水の層はかなり深い地下に横たわっているが、既に二つの穿孔せんこうによって達せられていて、白堊はくあとジュラ系石灰岩との間にある緑の砂岩帯から供給される。
日西天ニ没スとあるは、みかど隠岐島おきのしまへ御遷幸せんこうましまされた、この一事を指しておられるのであろう。三百七十余日とあるからには、明年のその頃に都へ御還幸、御位に復されるやも計られぬ。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こうして公儀こうぎの眼を逃れて潜行せんこうしているのも、大体はさっき壁辰に話した通り、大迫玄蕃以下十六人の首をねらうためではあるが、一つには、あの園絵というものがあるばっかりに、自分はいま
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ただし、このさい直接、奈良の東南院へ潜幸せんこうされたとなす説と、一夜は唐招提寺とうしょうだいじ入御にゅうぎょして、奈良の動静をたしかめたうえ行かれたという二説がある。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「冠省、先般ヨリ申請中ノ願書、詮衡せんこうノ結果、今回、谷口マン儀、煙草女工資格者ト決定セルニ付、採用ノ旨、通告ス」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
朝鮮の歴史にも興味を持っていましたが、早くから江戸時代の文化史を専攷せんこうにして、『紅葉山文庫もみじやまぶんこ御書物奉行ごしょもつぶぎょう
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
墓にまいる人にしきみ綫香せんこうを売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧かしこそうなおかみさんがいた。わたくしはこの女の口から絶望の答を聞いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
むねみぎにつけられた、燦然さんぜんとしてかがや戦傷徽章せんしょうきしょうは、その戦功せんこう名誉めいよをあらわすものであると同時どうじに、これを健全けんぜん人々ひとびとは、この国家こっかのためにきずついた勇士ゆうしをいたわれという
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
浅香せんこうの木の折敷おしき二つに菓子と杯を載せて御簾みすから出された。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
果然は一名また仙猴せんこう、その鼻孔天に向う、雨ふる時は長い尾で鼻孔をふさぐ、群行するに、老者は前に、少者わかものは後にす。
先后せんこうの祭のときです。驪姫はそっと供え物に、毒を秘めておいて、後、申生にいうには母上のお供え物を、そのまま厨房ちゅうぼうにさげてはもったいない。父君におすすめなさいと。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然れども思え、いたずらに哭してどうして、墓前の花にそそぎ尽したる我が千行せんこうなんだ、果して慈父が泉下の心にかなうべきか、いわゆる「父の菩提ぼだい」をとむらい得べきか。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それに近頃彼の側には例の陳宮が付き従っているし、その下には文遠ぶんえん宣高せんこう郝萌かくほうなどとよぶ猛将が手下に加わっておるそうです。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
川口せんこうの旅人が、魏へ来て洩らした噂から、かまどの数に孔明の智略があったこともやがて司馬懿しばいの聞くところとなった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その日、立花先生は、新しい体操の実演と打合会のために海岸通りの扇港せんこうビルの講堂で午前中を過した。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして冬撰鉱せんこうへ来ていたこの村のむすめのおみちと出来てからとうとうその一本調子ちょうしで親たちを納得なっとくさせておみちをもらってしまった。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一方には羅馬ろま教会の擅行せんこうを批難しながら他方には他の新教徒に附するに Dissenters(分離者)とか Nonconformists(不合者)とかの聞きにくき名称を以てするにあらずや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
如何に彼が死に処して、その平生へいぜい潜光せんこうを発揮したるかを見よ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
斉彬の、遺しておいたこうした形が、だんだん荒れて行くと共に、軽輩の力は、ますます内部で潜興せんこうしてきた。上士の方からも、軽輩へ、近づこうとする人が、生じてきた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
船は見えたら、急いで潜航せんこうするのだ。そして船がいよいよこっちへ近づいたら、そのときにこっちはぬっと海面へ浮上ふじょうする手筈てはずにしてあった。
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
客ニ洞簫とうしようヲ吹ク者アリ、歌ニヨツテこれヲ和ス、其ノ声、嗚々然おおぜんトシテ、うらムガ如ク、慕フガ如ク、泣クガ如ク、訴フルガ如シ、余音よいん嫋々じようじようトシテ、絶エザルコトいとノ如シ、幽壑ゆうがく潜蛟せんこうヲ舞ハシ
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
釧路丸では、ガラガラと轆轤かぐらさん銛綱せんこうられて、仔鯨がポッカリ水の上へ浮上った。するとこの時、前檣マストの見張台にいた男が、手を振ってなにやら喚き出した。近づく隼丸に気づいたのだ。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
兄はある製作所の木版工の中から、優秀な技術者として抜擢され、現在では印刷局の鐫工せんこうに雇われている。従って、この名人気質をぶらさげている彼と、みを子はどうしてもうまく行かなかった。
母親 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)
夜に入っては、幕将すべてを集めて、彼のために餞行せんこうえんを盛んにした。餞行の宴——つまり送別会である。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)