“しもべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.5%
下僕23.6%
下部17.0%
奴僕2.4%
奴隷2.4%
下男1.4%
家僕1.4%
0.9%
下人0.9%
使僕0.9%
奚奴0.9%
奴婢0.9%
従僕0.9%
僮僕0.5%
下婢0.5%
0.5%
僕隷0.5%
0.5%
婢女0.5%
家人0.5%
従者0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されど汝らの中にてはしからず、かえって大ならんと思う者は、汝らの役者えきしゃとなり、頭たらんと思う者は、すべての者のしもべとなるべし。
旅よそおいをした若い娘を乳母うばらしい老女と下僕しもべらしい男とが、守護でもするように前後にはさんで、入り込んで来た一組であった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さ、上がられい。——今日は侍どもから下部しもべまで、水分神社の雨乞い祭りの用意に出向き、屋敷は、このとおり無人の涼しさだ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
フランチェスコは御空を仰ぎて、主よ、主の奴僕しもべはかくありぬ、かく貧しきが故にこそ世のあらゆるもろもろの御宝をも却つて主のごとく、この身ひとつに保ちまつる。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
イエスの名太陽よりも光あれば、爾の名黒暗やみよりも恐怖あらん。爾は天国の奴隷しもべたらざるも、かならず地獄の王たるべし。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かしこまって下男しもべは起って行くと、入り代って入って来たのは三十前後の武士だ。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
家ののきにいで家僕しもべが雪をほらんとてうちおきたる木鋤こすきをとり、かのつらゝをうちをらんとて一打うちけるに
秦進忠は若い時、なにかの事で立腹して、小さいしもべを殺しました。やいばをそのむねに突き透したのでした。
この雪いくばくの力をつひやし、いくばくの銭を費し、終日ほりたる跡へその夜大雪降り夜明て見れば元のごとし。かゝる時は主人あるじはさらなり、下人しもべかしらたれ歎息ためいきをつくのみなり。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
(と、洛東清水寺成就院じょうじゅいんの住職、勤王僧月照げっしょうの忠実の使僕しもべ大槻おおつき重助は物語った)さて裏門から出て見ますると、その門際もんぎわに顔見知りの、西郷吉之助様(後の隆盛)が立っておられました。
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
百樹もゝきいはく小千谷をぢやにありし時岩居がんきよ地獄谷ぢごくだにの火を見せんとて、社友しやいう五人をともな用意ようい酒食しゆしよく奚奴しもべ二人にになはしめ
正月は奴婢しもべどもゝすこしはゆるして遊をなさしむるゆゑ、羽子はごつかんとて、まづ其処を見たてゝ雪をふみかためて角力場すまうばのごとくになし、羽子は溲疏うつぎを一寸ほど筒切になし
裏木戸のところに音作、それと見て駈寄つて、いつまでも昔忘れぬ従僕しもべらしい挨拶。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
車はボルゲエゼのたちの前にまりぬ。僮僕しもべは我をいざなひて館の最高層に登り、相接せる二小房を指して、我行李をおろさしめき。
われは家の僮僕しもべなどの如き樣して走り寄りつゝ、車より下る二人を援けんとするに、姫は我手に縋らで先づおり立ちぬ。
侍女こしもとや、下婢しもべまでが、そこへかたまって、口々に、十八公麿の孝心をたたえた。それに、粘土こねつち仏陀ぶっだの像を作っていたということが、大人たちの驚異であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これをかゆとしまた鰹節かつぶし煮出にだしてもちうれば大に裨益ひえきあればとて、即時そくじしもべせておくられたるなど、余は感泣かんきゅうくことあたわず、涕涙ているいしばしばうるおしたり。
ギリシアのオリンピヤの競争にった三の牝馬は死後廟を立て葬られた。ローマ帝カリグラは愛馬インシタツスを神官とし邸第ていたく僕隷しもべを附け与えた。
これも人間のしき處女にぞありける。(譯者のいはく。希臘のかまどの神なり。男神二人にいどまれて、嫁せずして終りぬと云ひ傳ふ。)飾美しき「リフレア」着たるしもべ出で迎へつ。
それは本統ほんとうはクララが始めから考えていた事なのだ。十六のとしから神の子基督キリスト婢女しもべとして生き通そうと誓った、その神聖な誓言せいごんを忘れた報いに地獄に落ちるのに何の不思議がある。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
家人しもべの群も多くあり、そこに、麗しく珍しき奇観もの多くあれど
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
と、独り上機嫌になって——いや努めて機嫌よく気を取り直そうとして、れんの内から、従者しもべに任せておけばよいような事まで、自身で世話をやくのであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)