“ざんぎゃく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
残虐74.2%
惨虐25.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
豹の眼と豹のきばと豹の舌と、それから豹の心を持った獣人なのだ。途方もない漫画まんがである。世にも恐ろしい残虐ざんぎゃくな漫画である。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こう云う残虐ざんぎゃくを極めた悲劇は、何度となくその後繰返された。が、紅い庚申薔薇の花は息苦しい光と熱との中に、毎日美しく咲き狂っていた。——
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
誰か、この平和な春の陽の下から、程なく、人間を焼く惨虐ざんぎゃくな煙が立ち昇ると思う者があるだろうか。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その婦人客の細い頸は、夫人の熱した右手の中で、死にかかった鵞鳥がちょうのようにびくびくしていた。夫人はそいつを引きずり倒して、鼻先の皮がむけるまで、床の上へ惨虐ざんぎゃくにこすり付けた。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)