“ざっとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑沓65.0%
雑鬧21.5%
雑踏7.2%
雑閙4.5%
雑遝1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
芋を洗うような雑沓ざっとうで、入浴する方が却って不潔ではないかと思われるくらいであったが、わたしはやはり毎日かかさずに入浴した。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何しろ今日のこの雑鬧ざっとうである。掻ッさらい、変態者の悪戯など、悪の跳梁ちょうりょうはもちろん迷い子も二、三にはとどまらなかったであろう。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喧嘩渡世の看板に隠れ、知らずのお絃の嬌笑きょうしょうきもたまを仲に、ちまた雑踏ざっとうから剣眼けんがんを光らせて、随時随所に十七人の生命をねらうことになった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それに電話は身ぶるいするほど嫌いだし、田舎に引き籠ってからは、あの雑閙ざっとうする東京の電車にはとても飛び乗れそうにない。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
余は家に置いてある人力車に乗って一走り走らせると、わけなく、絵画的な群集の雑遝ざっとうしている真直まっすぐな広い街路、また狭い町の只中ただなかに達することができる。
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)