“さっき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
先刻88.2%
前刻4.3%
数奇1.8%
最前1.6%
1.5%
殺気1.2%
先程0.6%
以前0.3%
先方0.1%
0.1%
早刻0.1%
箚記0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八っちゃんはまだ三つですぐ忘れるから、そういったら先刻さっきのように丸い握拳だけうんと手を延ばしてくれるかもしれないと思った。
碁石を呑んだ八っちゃん (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「いたたまれないで、逃げだしたかも判らないよ、前刻さっき居室いまで新聞かなんか読んでたが、いないのだよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
太子のおもかげも今別れた数奇さっきなキャゼリン嬢の姿もみんな消え失せて、この戦争の陰に着々として来るべき日の備えをしている英国の猜疑さいぎと暗躍とがしみじみと考えられてきた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そこでいろいろ考えたのですが、丁度最前さっきの友達が死んで間もなくであったものですから、咄嗟とっさに思いついてその友達の話をすることにしたのです。
さっきの棚の上に、今度は鼠が二疋連れで、ちょろちょろと何か相談し合うような恰好かっこうで歩いて来ました。
でたらめ経 (新字新仮名) / 宇野浩二(著)
温熱おんねつのような殺気さっき弾琴だんきんに吹きはらわれて、ただ、ぼうぜんとふしぎそうに耳をすます軍兵の眼ばかりが光り合う。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俺は、お前が胸の中を割ってみせて呉れねえと云って、先程さっきも云う通り、少しも恨みに思いはしねえ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「もう少し以前さっき
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
家の門を這入はいると、玄関に誠太郎のらしいくつ叮嚀ていねいならべてあった。門野に聞いたら、へえそうです、先方さっきから待って御出ですという答であった。代助はすぐ書斎へ来て見た。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
種々いろんなことが逆上こみあがって、咽喉の奥ではむせぶような気がするのをじっこらえながら、表面うわべは陽気に面白可笑く、二人のいる前で、さっき言った
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
千種十次郎の顔は次第に真剣になります、早刻さっき早坂勇から聴いた、岡崎の言うのが本当か、それとも鳥子の方が本当か、もう一度スタートを踏み直して考える必要があります。
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
『松屋筆記』六五に『二十二史箚記さっき』三十巻、元の順帝の至正十一年、〈韓山の童となえて言う、天下大いに乱れ、弥勒仏下生すと、江淮こうわいの愚民多くこれを信ず、果して寇賊蜂起し