“ささなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小波42.9%
21.4%
楽浪14.3%
沙沙那美7.1%
笹波7.1%
篠波7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月の光が行通れば、晃々きらきらもすそが揺れて、両の足の爪先つまさきに、うつくしあやが立ち、月が小波ささなみを渡るように、なめらかに襞襀ひだを打った。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかも浪人はそういう姿勢で、静まり返っているのである。ただし刀身は脈々と、ささなみのように顫えている。で、月光がはねられて、顔の隈がたえまなく移動する。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一首は、楽浪ささなみ志我津しがつにいた吉備津采女きびつのうねめが死んで、それを送って川の瀬を渡って行く、まことに悲しい、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに追ひめ敗りて、沙沙那美ささなみに出でて、悉にその軍を斬りつ。ここにその忍熊の王、伊佐比いさひの宿禰と共に追ひ迫めらえて、船に乘り、海に浮きて、歌よみして曰ひしく
幾多いくたの罪人を呑み、幾多の護送船を吐き出した逆賊門はむかしの名残なごりにそのすそを洗う笹波ささなみの音を聞く便たよりを失った。ただ向う側に存する血塔けっとうの壁上におおいなる鉄環てっかんがっているのみだ。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
建振熊命たけふるくまのみことは、とうとうそれを同じ近江おうみ篠波ささなみというところで追いつめて、敵の兵たいという兵たいを一人ものこさずり殺してしまいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)