“さかづき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サカヅキ
語句割合
35.7%
27.7%
9.8%
酒盃6.3%
4.5%
酒杯3.6%
酒盞2.7%
洋盃1.8%
1.8%
盃盞0.9%
三々九度0.9%
洋盞0.9%
玻璃盃0.9%
盃杯0.9%
硝子杯0.9%
祝盃0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今もネ、花ちやん」と丸井老人は真面目顔「例の芸妓殺げいしやころし——小米こよねの一件について先生に伺つて居た所なんだ」と言ひつゝさかづき差しいだ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
点頭うなづきながら叔母にかう答へて英也はさかづきを取つた。畑尾がまた来たのと入り違へに南は榮子を寝かし附けた夏子をれて帰つて行つた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おもきみ……しき九獻くこんさかづきよりして以來このかたはじめてむねとほりたるあますゞしつゆなりしを。——たのかい——いや、われく。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「主よ。もし御心に適ふならば、この苦き酒盃さかづきを離し給へ。されどなんぢにして欲するならば、御心のままに爲し給へ。」
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
それより両国尾上町りやうごくをのへちやう京屋きやうや楼上ろうじやう集会しふくわいする事十とせあまり、これを聞くものおれれに語り、今は世渡よわたるたつきともなれり、峨江がこうはじめさかづきうかめ、すゑ大河たいがとなるはなしすゑ金銭きんせんになるとは
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
恐しく鳴り渡るにつれて、『どうだ、君一杯ひとつ。』の叫声、手もとゞかぬテーブルの、彼方かなた此方こなた酒杯さかづきの取り遣り。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
清吉酔ふては撿束しまりなくなり、砕けた源太が談話はなしぶりさばけたお吉が接待とりなしぶりに何時しか遠慮も打忘れ、されていなまず受けては突と干し酒盞さかづきの数重ぬるまゝに、平常つねから可愛らしき紅ら顔を一層沢〻みづ/\
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「僕、これを家の女中に作つてやりました。彼れ、愛すべき少女ですな。今朝僕の部屋を掃除する時、この洋盃さかづきをみて笑ひました。僕、これをそつとしておくですな。」
室生犀星に与ふ (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
はるうら/\てふともあそぶやはな芳野山よしのやまたまさかづきばし、あきつきてら/\とたゞよへるうしほ絵島ゑのしままつさるなきをうらみ、厳冬げんとうには炬燵こたつおごり高櫓たかやぐら閉籠とぢこもり、盛夏せいかには蚊帳かや栄耀えいえう陣小屋ぢんごやとして
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
掛けやがて一座と成て酒宴さかもりうち後家に心有りなる面白可笑おもしろをかし盃盞さかづきことに後家のお勇も如才じよさいなき人物しろものゆゑ重四郎が樣子を熟々つく/″\見るに年はまだ三十歳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さゝるゝな立派な出世致すべしかくてこそ予にたい忠義ちうぎなるぞと申聞られ一人々々ひとり/\盃盞さかづきを下され夫より夜のあくるをまちける此時越前守の奧方おくがたには奧御用人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何時いつも御無事で、此の人は僕の知己ちかづきにて萩原新三郎と申します独身者ひとりものでございますが、お近づきの一寸ちょっとさかづきを頂戴いたさせましょう、おや何だかこれでは御婚礼の三々九度さかづきのようでございます
お客さまは快活にお笑ひになりながら、おくみの注いだ葡萄酒の洋盞さかづきをお上げになる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
私は酒はあまりらない方だから、すこし甘口ではあるが白葡萄酒の玻璃盃さかづきに一ぱい注いであるのを前に置いて、それをすこしづゝ遣つたり、乳色のした牡蠣かきの汁をすゝつたり
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
盃杯さかづきを投げてすすり泣く
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
わかき身の感じ易さよ硝子杯さかづきの薄きひびにも心みつつ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
むかへ申しても祝盃さかづきさへも致さぬうち後家ごけなすのが最惜いとほしければ此度の縁はなきものと思し絶念下あきらめくださるやと申して參れと長左衞門が吩咐いひつけに依て態々わざ/\參りましたるがまことにお氣の毒の次第にてといひたるまゝ戸外おもて飛出とびだあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)