“こなた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コナタ
語句割合
此方94.3%
彼方1.1%
0.4%
貴下0.4%
貴僧0.4%
貴孃0.4%
0.4%
貴殿0.4%
当家0.4%
御当家0.4%
此岸0.4%
此所0.4%
此方様0.4%
貴方0.4%
足下0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ぢや、ねいさんは何方どちらすきだとおつしやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、かほしかめてうながすを、姉は空の彼方あなた此方こなたながめやりつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
正太しようたはあつともはず立止たちどまりしまゝいつもごとくはだききつきもせで打守うちまもるに、彼方こなた正太しようたさんかとてはしり、おつまどんおまへものらば此處こゝでおわかれにしましよ、わたし此人このひとと一しよかへります
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うてかすことまこととはおもはぬこなたに、言託ことづけるのは無駄むだぢやらうが、ありやうは、みぎものは、さしあたりこなたかげを、つかまうとするではない。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今夜こんや……こなたひにく……をんなかげらうと、かねてつけねらうてるによつて、きびし用心ようじんふか謹愼つゝしみをしますやう、こなたつうじて、こゝろづけがしたかつたのぢや。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しも貴下こなたが、世間せけんふやうに、阿呆あはう極樂ごくらくひいさまをれてかっしゃるやうならば、ほんに/\、世間せけんとほり、不埓ふらちことぢゃ。
乳母 もしえ、この指輪ゆびわひいさまから、わしに貴下こなたげませいとうて。さ、はやう、いそがしゃれ、いかけたによって。
ロミオ 二はれいでもはなしませう。仇敵かたきいへ酒宴しゅえん最中さいちゅう、だましうちわしきずはしたものがあったを、此方こちからもはした。二人ふたりけたきず貴僧こなた藥力やくりきればなほる。
ロミオ 貴僧こなたはローザラインにこひをすなというて、いくたびもおしかりゃったぞよ。
よしうでないにせい、まへのは最早もう絶滅だめぢゃ、いや、絶滅だめ同樣どうやうぢゃ、はなれてんでござって、貴孃こなたのまゝにならぬによって。
……おゝ、脊中せなかが、脊中せなかが! ほんに貴孃こなたうらめしいわいの、とほとほところ太儀たいぎ使者つかひさッしやって、如是こんぬるやうなおもひをさすとは!
パリス いや、こなたかほいまではわしものぢゃに、それをば其樣そのやうしう被言おしゃるのは讒訴ざんそぢゃ。
甲樂人 すれば、此方こちこなたをば從僕扱さんぴんあつかひにしてくれう。
感じ懇切ねんごろ供養くやうをなして後九助の額を熟々つく/″\と見貴殿こなたは大なる厄難やくなんあり是はのがれ難きにより隨分ずゐぶんつゝしみを第一に致されよと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見て吃驚びつくりなしコレ/\貴殿こなたゆゑに私は此とほり御番所へ送られ迷惑めいわく致せり貴殿が落して置た帛紗包ふくさつゝみ大方取に來るで有うと思ひ今日迄まつて居しにヤレ/\うれしやとなみだを流しながら正面しやうめんに向ひ右の帛紗ふくさ包を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奈何いかなる事情わけ訊問たずねしに、昨夜廿一二にじゅういちにのこうこう云う当家こなたのお弟子が見えて、翌日あす仏事があるから十五軒前折詰おりづめにして、もって来てくれとあつらえられましたと話され、家内中顔を見合せて驚き
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
御当家こなたさまのお蔭で人参を飲みましたせいか、段々宜しくなりまして、此の程病褥とこを離れましたと丹治がまいっての話でございますが、母が申しますに
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
嵐山其ものと桂川かつらがわとは旧に仍って美しいものであったが、川の此岸こなたには風流に屋根ははぎいてあったが自働電話所が出来たり、電車が通い、汽車が通い、要するに殺風景さっぷうけいなものになり果てた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
附て道中をなされましとはなしながらに行所を此所こなた松陰まつかげより忽然ぬつと出たる畔倉重四郎ものをも云ずうまうへなる飛脚の片足かたあしをばつさりと切付きりつけたり飛脚はアツと馬よりころげ落るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「どうでしょうか、此方様こなたにも御存じはなしさ、ただい女だって途中で聞いて来たもんだから、どうぞしからず。」
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乳母 はれま、結構けっこうなお教訓けうくんぢゃ、すがら此處こゝ居殘ゐのこっても、聽聞ちゃうもんがしたいわいの。てもま、學問がくもんきついものぢゃな! 殿とのさん、貴方こなたさしますことをひいさまにまうしましょ。
足下こなた予程わしほどとしわかうて、あのヂュリエットが戀人こひびとで、婚禮こんれいしきげてたんだときたぬうちにチッバルトをばころして、わしのやうにこがれ、わしのやうにあさましう追放つゐはうされたうへでなら