“こうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叩頭24.8%
勾当9.1%
紅燈7.4%
江東6.6%
荒唐5.0%
皎刀4.1%
昂騰4.1%
浩蕩4.1%
喉頭3.3%
恰当3.3%
口頭2.5%
厚東1.7%
黄塔1.7%
峡東1.7%
晃刀1.7%
江頭1.7%
紅灯1.7%
革堂1.7%
高等1.7%
公盗0.8%
口答0.8%
岬頭0.8%
構刀0.8%
皇統0.8%
皓刀0.8%
荒刀0.8%
荒蕩0.8%
降等0.8%
高唐0.8%
高塔0.8%
高尚0.8%
高橦0.8%
高踏0.8%
高蹈0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お京自身も、せつない胸のうちをおさえかねながらも、持ちまえの負けじ魂で、いたずらに、男の膝下に叩頭こうとうすることは、きらいであった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
青竹づえはあんまの小僧、丸樫杖は一枚上がって座頭、片撞木かたしゅもくはさらに上がって勾当こうとう両撞木りょうしゅもく撿校けんぎょうと、格によって持ちづえが違っているんだ。
七切通ななきりどおしの安手な娼家しょうかから一流どこの茶屋、白拍子の家までが、夜ごと、やけくそな武人の遊興に紅燈こうとうをただらしていた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲霞うんかのような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、烏江の亭長ていちょうは、わざわざ迎えに出て、江東こうとうへ舟で渡そうと云ったそうですな。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そしてあの荒唐こうとうな奇怪な心の adventure をかえってまざまざとした現実の出来事でもあるかのように思いなして
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
どなりつつ、のけぞりながら左膳一振、早くも乾雲の皎刀こうとうを構えた左膳、顔じゅうを口にして二度わめいた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
物価の昂騰こうとうにつれて右翼の非常手段がいつ爆発するか分らぬ恐れがあった。つまり、梶の眼に映った一同の不安は思想と現実とののっぴきならぬ苦悶くもんである。
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)
私たちの舟はまたの音もゆるく緩く波上に遊んでゆく、流れはもはや急ではない、大江たいこう浩蕩こうとうとしたさざなみである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
依て亦両手にて藁縄を下方に引く時は、喉頭こうとうを押すは※ずるも尚肩の疼みは増加するのみならず、両肩は前後より圧迫せられたるを以て殆んど痲痺するが如きに至れり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
あるいはむしろ貴族的の功徳といわんよりその時節に恰当こうとうの社会なりしがゆえなり。武備的の世界には貴族的の社会もってその力を逞しゅうするを得べし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「西涼の大将たるものは、いえば必ず行い、行えば必ず徹底して実を示す。聞き及ぶ、曹操は、口頭こうとうゆうで、逃げ上手だというが、汝そこを動かず、必ず馬超と一戦するの勇気があるか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ですが、御牒ごちょうによって、長門ながと厚東こうとうノ入道、周防すおうの大内義弘よしひろ、そのほか大島義政なんども、みな、人数にんずをあげてお出迎えに出ておりますが」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
碧梧桐君の令兄の竹村黄塔こうとう君は師範学校の教授をしてこの地に在住してるので朝暮ちょうぼ病室に居士を見舞った。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
三面から翻倒ほんとうして来る水が、この谷に溢れ返る時の怖ろしさも、相当に峡東こうとうの地理の心得のある竜之助にとっては、理解ができないでもありません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
西羗せいきょう鼠賊そぞくが、権者の鎧甲がいこうを借りて、人に似たる言葉を吐くものかな。われはただ今日を嘆く。いかなれば汝のごとき北辺の胡族えびすの血を、わが年来の晃刀こうとうに汚さねばならぬか——と。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨夜江頭こうとう碧波へきはを湧かす
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夏のの月まるきに乗じて、清水きよみずの堂を徘徊はいかいして、あきらかならぬよるの色をゆかしきもののように、遠くまなこ微茫びぼうの底に放って、幾点の紅灯こうとうに夢のごとくやわらかなる空想をほしいままにわしめたるは
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて東のかた百万遍ひゃくまんべん革堂こうとう(行願寺)のあたりにも火の手が上ります。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
ぼく高等こうとうねんだよ。」とこたえました。
海の少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ああ戦国の餓鬼がき! 戦場のあとに白昼はくちゅう公盗こうとうをはたらく野武士のぶしの餓鬼! その一ぐんであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんだ三日前に届いたのか。書類というはよく途中で紛失するものだ。そういう重大なることは、口答こうとうでするように」
東の方は村雨むらさめすと覚しく、灰色の雲の中に隠見する岬頭こうとういくつ糢糊もことして墨絵に似たり。それに引きかえて西の空うるわしく晴れて白砂青松に日の光鮮やかなる、これは水彩画にもたとうべし。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この修羅場に処して機発如意きはつにょいなる自源流本然のすがた水月の構刀こうとうだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
天下の擾乱じょうらんも久しいことだ。世上、これを皇統こうとうの争いともいっているが、またそもそもは、この義貞となんじとの宿怨しゅくえんにもよる。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無銘むめい皓刀こうとう、ふたたび、八相の天に振りかぶって、双眸そうぼうらんらん、四面に構えた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに一本の形をそなえた荒刀こうとうを、刃渡しとして水中に沈めるときの、ほんのちょっとした水温と角度——にはすぎないけれど。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は四度目の登山には是非とも荒蕩こうとうたる黒部の峡谷から、処女の純潔を保てる大雪渓の雪を蹈んで、この日本に於ける最高の花崗岩たる名をほしいままにすき立山の絶巓に攀じ登り
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
六月十八日に弘前藩士の秩禄ちつろくは大削減を加えられ、更に医者の降等こうとうが令せられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのうえで、宋江と呉用とは、高唐こうとう州城の処理を終った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある日ふと気が付くと、窓の虱が馬のような大きさに見えていた。めたと、紀昌はひざを打ち、表へ出る。彼は我が目を疑った。人は高塔こうとうであった。馬は山であった。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
令夫人は藤色の手柄の高尚こうとう円髷まるまげで袴を持って支膝つきひざという処へ、敷居越にこのつらが、ヌッと出た、と思いたまえ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
封演の『聞見記』を引き、唐朝大赦ある時、闕下けっかに黄金の首ある鶏を高橦こうとうの下に立て、宮城門の左に鼓を置き、囚徒至るを見てこれを打ち、赦をのたまえおわりて金鶏を除く、この事魏晋已前いぜん聞えず
いかに解き放った高踏こうとうの態度を執ったにしろ、葛岡をこうしたものに矢張り安宅先生があり、先生が葛岡を捉え続けようとする積極の手はたとえ、諦めて引き込ましたにしろ、尚消極の手は動かして
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
紀昌は早速さっそく師のもとおもむいてこれを報ずる。飛衛は高蹈こうとうして胸を打ち、初めて「出かしたぞ」とめた。そうして、直ちに射術の奥儀秘伝おうぎひでんあますところなく紀昌に授け始めた。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)