“くわん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クワン
語句割合
17.5%
15.0%
7.5%
6.7%
6.7%
6.7%
5.8%
5.0%
4.2%
4.2%
3.3%
2.5%
2.5%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つげ後藤五左衞門秀盛入道は此時五十五歳にてまづくわん八州をこゝろざし再び武者修行にぞ立出たちいでける扨又後に殘りし後藤半四郎秀國ひでくには丸龜の道場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伊勢屋新兵衞の顏には、一しゆん躊躇ちうちよの色が浮びましたが、思ひ定めた樣子でくわんの側に近づくと、暫く物も言はずに突つ立つて居りました。
此人丈は軍刀を弔つて来て、見物する間もくわんだけはづして、傍に引き附けてをられる。これがひどく荒川の気に入つた。荒川は甲越の戦争の頃の武辺ぶへん話を聞いたことがある。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
が、甚だ正直でないもの、世渡りの道を知らないもの、道徳覿念のお粗末なのは、『斬取り強盜は武士の慣ひ』とくわんじたのも已むを得ないことでした。
いはく、『百くわんをさめ、萬民ばんみんしたしましめ、(九一)府庫ふこたすは、いづれぞ』と。ぶんいはく、『かず』と。
日本にほん建築けんちく古來こらい木造もくざうもつて一くわんして原因げんいんは、だい一に、わがくに木材もくざい豊富ほうふであつたからである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
僕はバタのくわんをあけながら、軽井沢かるゐざはの夏を思ひ出した。その拍子ひやうしくびすぢがちくりとした。僕は驚いてふり返つた。すると軽井沢に沢山たくさんゐる馬蝿うまばへが一匹飛んで行つた。
鵠沼雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくし自身は、前柱の帆を解き放すと一しよに、ぴつたり腹這つて、足を舳の狭い走板はしりいたにしつかりふんばつて、手では前柱の根に打つてあるくわんを一しよう懸命に握つてゐました。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
然るにわたくしは鑑三郎と相識るに至つて、窪田くわんさんの所蔵の池田氏系図並に先祖書を借ることを得た。これが新に加はつた第四の材料である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……去年きよねんはるごろまでは、樹蔭こかげみちで、戸田街道とだかいだう表通おもてどほりへ土地とちひとたちも勝手かつて通行つうかうしたのだけれども、いまは橋際はしぎは木戸きど出來できて、くわん構内こうないつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
組込くみこみの三きやくすゞくわんに、結晶けつしやうした酒精アルコールまつたのがつて、これ普通ふつう汽車中きしやちうかすうつわである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が「罪と罰」一くわんるところのもの全篇ぜんへん悉く慘憺たる血くさき殺戮の跡を印するを認むるなり
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
衣の地は殆ど枚挙にいとまあらず。四季をり/\、年齢、身分などにより人々の好あらむ、編者へんしやは敢てくわんせざるなり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
思へば好事よきことには泣くとぞふなる密閉室あかずのまの一件が、今宵誕辰たんしんの祝宴に悠々いう/\くわんつくすをねたみ、不快なる声を発してその快楽を乱せるならむか、あはれむべしと夜着よぎかぶりぬ。眼は眠れどもしんは覚めたり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其状鎧をかうぶ幞頭ぼくとうくわんし手にこつを持る、顔貌も甚おごそかならず。造作の様頗る古色あり。豊岡八幡の社にいたる。境中狭けれども一茂林もりんなり。茅茨ばうじの鐘楼あり。一里卅丁板鼻駅、二里十六丁松井田駅なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朝鳥あさとりこゑおもしろく鳴きわたれば、かさねて一三七金剛経こんがうきやうくわん供養くやうしたてまつり、山をくだりていほりに帰り、しづかに終夜よもすがらのことどもを思ひ出づるに、平治の乱よりはじめて、人々の消息
その頃流行つた風俗ですが、一くわんの尺八を腰に差して、寛濶くわんたつな懷ろ手、六法を踏む恰好で歩くのは花道から出て來る花川戸の助六や御所の五郎藏と通ふものがあります。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
此被告等を自由の民たる位置に置き玉へ。そして諸公と被告等とが同じ時代同じ空間に、天地の成育を受けた同じ生物なりとくわんじ玉へ。誰か諸公の生命を奪はんとするものがあらう。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「御三男様御作吐舌したをはき申候。被仰候事を被仰下、辞気藹然じきあいぜん感じ申候。私方わたくしかたくわん三も十五になり候。詩少しつくらせ候へ共きこえ不申候。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
例之たとへば弟汝楩の子万年まんねんの女類は夭折の年月或は契合すべく、更に下つて万年の子くわん三の女つうとなると、明に未生みしやうの人物となる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
余等よらもつと興味きやうみゆうして傾聽けいちやうしたのは、權現臺貝塚ごんげんだいかひづか歴史れきしであつて、最初さいしよ野中のなかくわん發見はつけんしたのを、ふかしてたので、其頃そのころ發掘はつくつをせずとも、表面ひやうめんをチヨイ/\掻廻かきまはしてれば、土偶どぐう
福一はかゝる伶俐かしこきものなりしゆゑ、今江戸にありてくわんにもすゝみしと聞ぬ。目でたき事どもなりけり。
其外にやすりと小刀ないふ襟飾えりかざりが一つ落ちてゐる。最後さいごむかふすみを見ると、三尺位の花崗石みかげいしの台の上に、福神漬ふくじんづけくわん程な込み入つた器械が乗せてある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
〔評〕慶應けいおう三年九月、山内容堂ようだう公は寺村左膳さぜん、後藤しやう次郎を以て使となし、書を幕府にていす。曰ふ、中古以くわん政刑せいけい武門に出づ。