“くぼみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
33.3%
凹所11.1%
凹処5.6%
凹味5.6%
凹間5.6%
窪味5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
井深はじっとその口元を見つめた。全く画工えかきの光線のつけ方である。薄いくちびるが両方のはじで少しかえって、その反り返った所にちょっとくぼみを見せている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あまりみたれば、一ツおりてのぼる坂のくぼみつくばいし、手のあきたるまま何ならむ指もて土にかきはじめぬ。さという字も出来たり。くという字も書きたり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隣室をくぎった垂帳たれまくのふっくりとした襞の凹所くぼみは紫水晶のそれのような微妙な色彩いろあいをつけ出した。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
娘のうたを歌ひながら一心にはたおつて居る小屋など、一つ/\あらはれるのを段々先へ先へと歩いて行くと、高低さだまらざる石の多い路の凹処くぼみには、水が丸で洪水こうずゐ退いた跡でもあるかのやうに満ち渡つて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
毒虫をも恐れず草を踏み分けながらその方へ歩寄あゆみよった時、柳の蔭には山の手の高台には思いも掛けないあしの茂りが夕風にそよいでいて、井戸のように深くなった凹味くぼみの底へと
金がしまってあるに相違ない櫃の在りどころや、その他寝台が凹間くぼみの中にあること、硝子戸のついた抽斗沢山の大きな衣裳戸棚にも、相当金目のものが入っているらしいということまで
空家 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
鼻の附け根には窪味くぼみがなくて、額からすぐに、盛りあがっている。小鼻が小さくて食い上がっている。で、そのために高い鼻が、完全の鉤鼻かぎばなをなしている。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)