“くは”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クハ
語句割合
27.2%
13.4%
11.5%
10.3%
8.2%
6.6%
6.3%
3.1%
2.1%
2.1%
1.9%
1.4%
0.9%
0.9%
0.5%
0.5%
0.5%
委細0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
詳細0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故に私がこんな風な行動を取つたかをもまた、十分にくはしく説明した。ダイアナとメァリーは隔意かくいなく私の處置に賛成してくれた。
これ引摺ひきずつて、あしながらなさけなさうなかほをする、蟋蟀きり/″\す𢪸がれたあしくちくはへてくのをるやう、もあてられたものではない。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みながそれをると、子安貝こやすがひではなくてつばめ古糞ふるくそでありました。中納言ちゆうなごんはそれきりこしたず、氣病きやみもくははつてんでしまひました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
さうなると、もう悪魔の宝なんかはどうでもよく、元の人間の姿になつたのがうれしくて、くはや帽子も打捨てゝ帰りかけました。
悪魔の宝 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
純吉は、湯の中に仰向けの儘煙草をくはえて、悠々とふかし始めた。静かな朝だつた。煙りはゆらゆらと立ち昇つて、天井に延びた。
明るく・暗く (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
索搜たづね密々こつそり呼出よびだし千太郎に小夜衣よりの言傳ことづてくはしく語りおいらんは明てもくれても若旦那の事のみ云れて此頃はないてばつかり居らるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これを掘らせたのは吉太郎とお富の細工で、草之助はその密計みつけいを聽いて、嫉妬しつとのお島殺しを便乘させたのだと、後でくはしくわかりました。
猫の方は猫で、相変らず蛙をくはへて来て、のつそりと泥だらけの足で夕闇の座敷をうろついて居た。彼は時にはそれらの猫を強く蹴り飛ばした。
それもわづかくはからんだ晝顏ひるがほはなに一ぱいりやうそゝいではあわてゝ疾驅しつくしつゝからりとねつしたそらぬぐはれることもるのであるが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『ハ? ハ。それア何でごあんす……』と言つて、安藤はそつと秋野の顔色を覗つた。秋野は黙つて煙管をくはへてゐる。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さぎなりといつはくはせ我を癩病らいびやうになし妻子親族にうとませたり故に餘儀なく我古郷を立去て原の白隱禪師はくいんぜんしの御弟子となり日毎に禪道ぜんだう教化けうげ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
めしくはせろ!』と銀之助は忌々いま/\しさうに言つて、白布はくふけてある長方形の食卓の前にドツカとはつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
段々とはなして娘を賣て十八年以前なる傍輩はうばいの恩金を返さんと思ふよしくはしくはなしければ利兵衞も其の志ざしを深くかんさつそく承知なし即ち判人はんにんとなりて新藤の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よくそんなに變なことにくはすんだね、俺なんか當り前のことで飽々あき/\してゐるよ。借りた金は返さなきやならないし、時分どきになれば腹は減るし、遊んでばかりゐると、女房は良い顏を
ポプラ葉のかがやく見れば常ながら空のあなたよ見のくはしかも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
積上つみあげられたる雜具がらくたうへに、いつでも烟管きせるくはへて寐辷ねそべつてゐるのは、としつた兵隊上へいたいあがりの、いろめた徽章きしやういてる軍服ぐんぷく始終ふだんてゐるニキタと小使こづかひ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
くはえたパイプの雁首がんくびをぽんとはたく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「なにコツペエが亡くなつたつて。まあ、此方こつちへ通つて委細くはしく話して聞かせて下さい。」
もつとも丑松の目に触れたは、式の始まるといふ前、くはしく読む暇も無かつたから、其儘そのまゝ懐中ふところへ押込んで来たのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『あの演説の筆記を見たら、猪子先生の書いたものを読んで見たくなつた。まあ君はくはしいと思ふから、其で聞くんだが、あの先生の著述では何が一番傑作と言はれるのかね。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「弱つた! 君がああして取緊とつちめてくれたのは可いが、この返報に那奴あいつどんな事を為るか知れん。明日あしたあたり突然どん差押さしおさへなどをくはせられたらたまらんな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そんな事が営業の魂などとは……! たとへば間が災難につた。あれは先は二人で、しかも不意打をくはしたのでせう、貴方はあの所業を何とお考へなさる。男らしい遺趣返いしゆがへしの為方とお思ひなさるか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
怜悧な玉ちやんは聞耳きゝみゝを立てて、ほんを置いて立つて、唇のところに指を當てて、可哀い大い目を睜つて、二親を見比べてゐる。指をくはへてはならぬと、博士が教へてゐるので、㘅へはせぬのである。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
その時のつもりは、いつかここへ寫生に來たいとおもつてくはしく書きとめておいたものと見える。いつも汽車の窓から見るだけでまだ一度もそこへ降りたことはないが、なんしろ心をひかれる景色だ。
砂がき (旧字旧仮名) / 竹久夢二(著)
なか/\に甲斐々々しい姿ですが、やにさがりのくは煙管ぎせる、これも女房をビクビクさせながらの剃刀かみそり使ひは、どう考へても器用な手つきではありません。
大人はお糸にくはされて、我に偽る恐れありと、長吉お駒を無二の探偵として、すこし心を休めゐしに、あひにくにも一日あるひの事、庄太郎の留守にお糸の里方より、車を以てのわざと使ひ
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
花の土堤をその列が長く續いて行く途中で、目かづらを被つて泥濘ぬかるみの中を踊りながら歩いてゐる花見の群れに幾度かくはした。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
僕は今此港の光景を詳細くはしく説くことは出來ないが、其夜僕の眼に映つて今日尚ほあり/\と思ひ浮べることの出來る丈を言ふと
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くはを ありとこして