“きゝとが”の漢字の書き方と例文
語句割合
聞咎100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
斯う夫人はお鶴のそばへ寄つて言つた。お鶴は茶を入れる用意をして居たが、夫人の言つたことを聞咎きゝとがめて
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此中このうち來賓中らいひんちゅうのチッバルトこのこゑ聞咎きゝとがめたる思入おもひいれにてまへすゝむ。
『沈んで居る?』と銀之助は聞咎きゝとがめて、『沈んで居るのは彼男あのをとこの性質さ。それだから新平民だとは無論言はれない。新平民でなくたつて、沈欝ちんうつな男はいくらも世間にあるからね。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『なにも其様そんなにやかましいことぢや無いよ。』斯う文平は聞咎きゝとがめたのである。『奈何どうして瀬川君はの先生の書いたものを研究する気に成つたのか、其を僕は聞いて見たばかりだ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あの愚痴な性質から、根彫葉刻ねほりはほり聞咎きゝとがめて、何故なぜ引越す、斯う聞かれたら何と返事をしたものであらう。そこがそれ、引越さなくてもいゝものを無理に引越すのであるから、何となく妙に気がとがめる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)