“きょうこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恐慌24.6%
兇行14.8%
恐惶14.8%
向後9.8%
強硬8.2%
峡口4.9%
嬌喉3.3%
強項3.3%
矜高3.3%
胸腔3.3%
驚惶3.3%
嚮後1.6%
喬公1.6%
強梗1.6%
強行1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「人間ひょう」だけでも充分な上に、今度は本物の猛獣までが野放しになっているとわかっては、浅草人種の恐慌きょうこうは察するにあまりがあった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つまり奥さんと同じ様に、兇行きょうこうの目撃者なんですがな。——いや、それにいて若し貴方がなんでしたなら、その男を
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ジャックリーヌは恐惶きょうこうの日々を送った。叔母に会うと多少安心した。仕合わせにもマルトはあまり苦しんではいなかった。
ハッと気が付いて、「しまった。向後きょうこう気をつけます、御免なさいまし」と叩頭おじぎしたが、それから「片鐙かたあぶみの金八」という渾名あだなを付けられたということである。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
特異とくいな行事を期待していた塾生たちにとっては、多少物足りなく感じられたらしかったが、そのために、これという強硬きょうこうな主張も出なかった。最も多く発言したのは飯島だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
遊船会社の前の峡口きょうこうは高い高い白い石の橋台に立って、驚くべき長い釣棹つりさおを垂れている人影も見えた。橋の下にも幾群いくむれか糸を投げてうおを待つ影も見えた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
懇親といえば懇親あえて益する所はなく、いっそ窮屈極まるものと思って居たが、「あらあたしのではお厭なの」、嬌喉きょうこう玉を転ばすが如きこの妙音が、たちまち小歌という大知己を得させたので
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
彼が強項きょうこう不屈なる、実にかくの如きものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「——延は矜高きょうこう。儀は狷介けんかい
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実際今でも私にははたして咽喉が鳴っているのか肺の中が鳴っているのかわからないのである。音に伴う一種の振動は胸腔きょうこう全部に波及している事がさわってみると明らかに感ぜられる。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
アウシュコルンは驚惶きょうこうていで、コーンヤックの小さなさかずきをぐっとのみ干して立ちあがった。長座したあとの第一歩はいつもながら格別に難渋なので、今朝けさよりも一きわしざまに前にかがみ
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
……酒はなだ都菊みやこぎく産地もと仕入れでございますから量はたっぷりいたします。なにとぞ嚮後きょうこうごひいきに、へい
子供をあやすんじゃあるめえし、上州の叔父がねまして。……ちえッ、笑わせるにもほどがある。手前のような野郎は、嚮後きょうこう、友達だなんぞと思わねえから、そう思え
それはそのむかし予と交わりのあった喬公きょうこうの二じょうを見ることだ
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ユトランドの荒地は今やこの強梗きょうこうなる樹木をさえ養うに足るの養分をのこしませんでした。
それから太陽が一番高くなる正午に近くまでの約四時間を、三人は強行きょうこうして逃げた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)