“きゆう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キユウ
語句割合
杞憂67.6%
喜憂4.9%
3.9%
嬉遊3.9%
2.9%
2.9%
己酉2.0%
2.0%
2.0%
癸酉2.0%
帰幽1.0%
亀友1.0%
亀遊1.0%
1.0%
豨勇1.0%
貴憂1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてそういう漠とした杞憂きゆうのために、面倒な引越しや書物の置き換えなどをすることが、なんとなく滑稽こっけいに思えたからである。
地異印象記 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
都合つごうのいいこともあれば都合の悪いこともある。しかし今更いまさらこのことを喜憂きゆうしても始まらない。本能的なものが運命をそう招いたと思うより仕方しかたがない。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
さては村雨むらさめの通つたのか。何となくあかるいぞ。かぜのまにまにふはふはと、撫子なでしこが匂ふ、夏水仙が匂ふ、薔薇ばらが匂ふ、土が匂ふ。ルウヴルきゆうの屋根の上、なさけの星も傾いた。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
例へばちょうといへば翩々へんぺんたる小羽虫しょううちゅうの飛び去り飛び来る一個の小景を現はすのみならず、春暖ようやく催し草木わずかに萌芽ほうがを放ち菜黄さいこう麦緑ばくりょくの間に三々五々士女の嬉遊きゆうするが如き光景をも聯想せしむるなり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
勘定高い聴衆ききての誰彼は、きゆうのさきから、金貨が一つづつこぼれおちるやうに思つて、腹の底から揺り動かされた。
あれよ/\とみてゐると水煙みづけむりきゆうおとろくちぢて噴出ふんしゆつ一時いちじまつてしまつたが、わづか五六秒位ごろくびようくらゐ經過けいかしたのちふたゝはじめた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
世に誉れ高くまします 烈祖れっそ家康公より信牌を賜わり(慶長五年庚子こうし和蘭オランダ船始めて来り、同十四年己酉きゆう七月五日神祖しんそより御朱印を賜う。己酉より今茲ことし甲辰こうしんに至り二百三十六年なり)
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
つくすともあきたるべきやつならずと冷凍ひえこほこぶしにぎりつめて當處あてどもなしににらみもしつおもかへせばそれも愚痴ぐちなりうらみはひとうへならずれにをとこらしき器量きりやうあらばほどまでにはきゆうしもすまじアヽとたんずればいきしろくえて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「障子を閉めきつてゐたのは、足が妙に重いから、三里にきゆうゑさしてゐたからだ。今日はまた朝つから風が強いから、障子を開けて置くと、もぐさが燃えてかなはねえ」
癸酉きゆうより庚子こうしに至りて在位二十八年、寿七十二歳
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
むろん例外れいがいはありましょうが、現在げんざいでは数百年前すうひゃくねんぜん乃至ないしねん二千ねんぜん帰幽きゆうした人霊じんれいが、守護霊しゅごれいとしておもはたらいているように見受みうけられます。
あのお爺様じいさまむかしから産土神うぶすなのお神使つかいとして、あらたに帰幽きゆうしたもの取扱とりあつかうことにかけてはこのうえもなくお上手じょうずで、とてもわたくしなどの足元あしもとにもおよぶことではありませぬ。
永井堂亀友きゆうの『世間仲人気質』一に
江口の遊女で亀遊きゆうといい、南段で桜花の宴があったとき、喜春楽を舞って御感ぎょかんにあずかったという悧口者で、世間では高倉女御と呼んでいたが、毎月、月始めの三日
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのおほきさは半徑はんけい二千七百粁にせんしちひやくきろめーとるきゆうであることが推定すいていせられてた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
『淵鑑類函』四三六に服虔曰く、猪性触れ突く、人、故に猪突豨勇きゆうというと。いわゆるイノシシ武者で、豨は南楚地方で猪を呼ぶ名だ。『簠簋ほき内伝』二にいわく、亥は猪なり云々。
「およそ貴憂きゆうは察しています。願わくば、一の力をおたすけして、義を明らかにしてみせましょう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)