“きぬがさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キヌガサ
語句割合
衣笠63.3%
16.7%
絹笠6.7%
天蓋3.3%
絹傘3.3%
3.3%
衣蓋3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
衣笠きぬがさのふきおろしは、小禽ことりの肌には寒すぎた。チチチチチ野に啼く声もおさなく聞えて耳に寒い。人々は、さやの中の刀から腰の冷えて来る心地がした。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その白布のきぬがさおほはれた光はなまめかしく余りに現代的で、麻炬の火が花を散らしながら煙を含んで赤濁し、闇夜の水上に異鳥を駆使して魚族を捕ふる鵜人の姿を照し出す怪美には若かない。
三次の鵜飼 (新字旧仮名) / 中村憲吉(著)
絹笠きぬがさみねちかくして長崎の真昼を告ぐるはうきこゆ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
いま大いなる天蓋きぬがさ 夕燒の空は赤く燃えてかかりたり
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
絹傘きぬがさの若き少女をとめ
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
きぬがさ山脈と呼ばれている。その一峰に、往昔、近江守護、六角、佐佐木氏の居城のあった観音寺山がある。その山頂にある観音寺は西国第三十三番の札所である。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
花は真紅しんく衣蓋きぬがさ黄金おうごん流蘇ふさを垂らしたようである。実は——実もまた大きいのはいうを待たない。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)