“がらんどう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
伽藍堂50.0%
伽藍洞18.8%
空洞12.5%
伽籃堂6.3%
伽蘭堂6.3%
空虚6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大きい寺も伽藍堂がらんどうになってしまって、正面の塔に据え付けてあるクリストの像が欠けて傾いている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大仏の中は伽藍洞がらんどうで、その中に階段をつけ、途中に色々な飾りものがあって、しょうつか婆が白衣で眼玉が動いていて非常に怖しかったのを覚えている。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
その生活は何處かに空洞がらんどうのやうな空所があつたに相違ない。
久米の仙人 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
休暇になつてからの學校ほど伽籃堂がらんどうに寂しいものはない。建物が大きいのと平生耳を聾する樣な喧騷に充ちてるのとで、日一日、人ツ子一人來ないとなると、俄かに荒れはてた樣な氣がする。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そんな事が出来ましょう伽蘭堂がらんどうにしてお渡し申して、残らず店の品物まで売り尽しましてお返し申したから、手許てもとへは僅か百二三十円有りましたが、それから私は眼が悪くなり
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくし外套がいとうらして例の通り蒟蒻閻魔こんにゃくえんまを抜けて細い坂路さかみちあがってうちへ帰りました。Kの室は空虚がらんどうでしたけれども、火鉢には継ぎたての火が暖かそうに燃えていました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)