“かんぷ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
完膚35.4%
姦婦22.0%
姦夫15.9%
官符4.9%
関釜4.9%
奸夫3.7%
悍婦3.7%
奸婦2.4%
肝腑2.4%
還附1.2%
閑父1.2%
駻婦1.2%
鰥夫1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほとん完膚かんぷなしというほどに疵だらけになっていましたが、それが使い馴れていて工合がよいので、ついそのままに使いつづけていました。
私の机 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで彼は、その日旅に出ると偽って、姦夫かんぷ姦婦かんぷ媾曳あいびきをしている現場を押え、いきなり用意の短刀で、男を一突きに突き殺してしまった。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
或は既に姦夫かんぷであるかの如く思はれはしまいかとさへ心配した。更にまた、其の人が自分よりは数等まさつた男であつた場合をも考へて見た。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
都へは使者がせ、各州には官符かんぷが飛び、梁山泊りょうざんぱくの名はいまや、全土へ震撼しんかんしているにちがいない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下関に着いて、そこから関釜かんぷ連絡船に乗って、玄海灘げんかいなだを渡るのだが、そのときのことをちょっと……。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
……ところがこのたび、当地の盧員外ろいんがいどのが、淫婦いんぷ奸夫かんぷのはかりにち、かつまた貪官汚吏どんかんおりの手にかかって、あえなく獄にとらわれ召された。いやすでにめい旦夕たんせきの危急と聞く。……で。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自然、悍婦かんぷも、驕婦きょうふも、物を縫うている瞬間だけは、良妻であり、賢婦であることのほかには見えない。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
出抜だしぬいて家を出るばかりか、何の便たよりも為んところを見れば、始から富山と出会ふ手筈てはずになつてゐたのだ。あるひは一所に来たのか知れはしない。宮さん、お前は奸婦かんぷだよ。姦通かんつうしたも同じだよ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
肝腑かんぷに徹する霜のような気合い、殺刀風を起こして土間の一隅から?
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「三ごく干渉かんしょう遼東りょうとう還附かんぷ以来いらいうら骨髄こつずいてっしているんだ。理窟も糸瓜へちまもあるものか?」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私は、極端な閑人ひまじんであった。法律の本なんか見る興味は、全然ない。植木いじりか、子供いじりか、碁いじりである。そこでだらしのない和服で、閑父かんぷ閑児かんじを携えて近所をうろつくのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
ガラツ八の勇猛さでも、この雌豹めへうのやうな美しい駻婦かんぷにはかなり手古摺てこずつたやうです。
もっともミウレ氏によれば、後者のうちおそらく九、〇〇〇は寡婦鰥夫かんぷであった1