“かんせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
喊声35.4%
陥穽22.4%
寛政7.2%
歓声5.9%
鼾声5.5%
閑静5.1%
喚声4.6%
喊聲1.7%
閑靜1.3%
完成1.3%
陥擠1.3%
陥阱1.3%
陷穽1.3%
関西0.8%
慣性0.8%
乾性0.4%
乾生0.4%
官制0.4%
檻穽0.4%
漢生0.4%
箝制0.4%
篏制0.4%
閑栖0.4%
間靚0.4%
陥穿0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときに突然、背面の山から、またまた、金鼓を鳴らし、喊声かんせいをあげて、この大血河へ、さらに、剣槍の怒濤を加えてきたものがある。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しまった! と思うとたんに、余りにも手際てぎわよく村重の陥穽かんせいにかかっていた自分の姿が——自分ながらおかしくなったものとみえる。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは寛政かんせい御改革のみぎり山東庵京伝さんとうあんきょうでん黄表紙御法度きびょうしごはっと御触おふれを破ったため五十日の手鎖てぐさり、版元蔦屋つたや身代半減しんだいはんげんという憂目うきめを見た事なぞ
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
思わず道へとびだすと、歓声かんせいをあげながらバスのあとを追って走った。新らしい力がどこからわいたのか、みんなの足は早かった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
起きて焚火をする音に南日君も目を覚して、二言、三言話したかと思うと又ごろり横になって、大袈裟にいえば鼾声かんせい小屋をゆるがさんばかりであった。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
Uの温泉場では××屋という宿が閑静かんせいで、客あつかいも親切であるということを聞かされて、私も不図ふとここへ来る気になったのである。
鰻に呪われた男 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わあと喚声かんせいを揚げて子供たちは逃げる。私も真似をして、わあと、てれくさい思いで叫んで逃げる。曲馬団の者が追って来る。
作家の手帖 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それが汽車きしやとほるのをあふながら、一せいげるがはやいか、いたいけなのどたからせて、なんとも意味いみわからない喊聲かんせいを一しやう懸命けんめいほとばしらせた。するとその瞬間しゆんかんである。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こゑきくよすがもらざりければ、別亭はなれ澁茶しぶちやすゝりながらそれとなき物語ものがたり、この四隣あたりはいづれも閑靜かんせいにて、手廣てびろ園生そのふ浦山うらやましきものなり、此隣このとなりは誰樣たれさま御別莊ごべつさう
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この実験じっけんは一ぷんもはやく完成かんせいさせなくてはならんのだ。じゃまがはいるとひどくめいわくするんだ。ドアがあく音がするだけでも気がちってこまる。
自分の運命の陥擠かんせいであるものはこの恋である、源氏を忘れないことは自分を滅ぼす道であるということを過去よりもまた強く思っておいでになる御様子であったから手が出ないのである。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
自分の一生を小さい陥阱かんせいめ込んで仕舞う危険と、何か不明の牽引力の為めに、危険と判り切ったものへ好んで身を挺して行く絶体絶命の気持ちとが
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
惡口の方は、商賣敵の陷穽かんせいにきまつて居ますが、漠然と江戸中に擴がつた、眞珠太夫の人氣も大變なものです。
「すまないが、ここへ避難した奉公人や若者は、時をみて正業に返してくれ。持ってきた金銀は、その折り、皆で分けるがいい。おれは、師匠の王進先生を尋ねてこれから関西かんせいの旅につく」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり非常に軽々と感じ、そして少し遅れて慣性かんせいのようなものをも感じたというのである。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おもいほど、ぶく/\とむくんだのではない、が、乾性かんせいしようして、その、せるはうかへつたちわるい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
草本帶そうほんたいには、乾燥かんそうしたところにえる植物しよくぶつ、すなはち『乾生かんせい』のものと、濕氣しつきのあるところにえる『濕生しつせい』のものとの區別くべつがあつて、前者ぜんしや岩石がんせき砂地すなじ乾燥かんそうした場所ばしよ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
第十条 天皇ハ行政各部ノ官制かんせい文武官ぶんぶかんノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ各々おのおの其ノ条項ニ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
文明は個人に自由を与えてとらのごとくたけからしめたる後、これを檻穽かんせいの内に投げ込んで、天下の平和を維持しつつある。この平和は真の平和ではない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして男を漢生かんせいとつけ、女を玉佩ぎょくはいとつけた。魚は漢産を伴れて家へ帰ったが、一年の中に漢水へ三四回も往くので不便であった。魚はそこで家を漢陽に移した。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
意けだしここを以てその束縛箝制かんせいを受けたる奴隷囚虜の属に別たんと欲するなり。
さいわいに竜池は偽善を以て子を篏制かんせいしようとはしなかった。自分の地味な遊には子之助を侍せしめて、これに教うるに酒色のむしろにあっても品位をおとさぬ心掛を以てした。子之助の態度はここに一変した。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或時長頭丸即ち貞徳ていとくが公をうた時、公は閑栖かんせい韵事いんじであるが、やわらかな日のさす庭に出て、唐松からまつ実生みばえ釣瓶つるべに手ずから植えていた。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
知って、災と思わぬならば物凄ものすごい。黒い所が本来の住居すまいで、しばらくの幻影まぼろしを、もとのままなる冥漠めいばくうちに収めればこそ、かように間靚かんせいの態度で、あいだ逍遥しょうようしているのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
理非曲直を越えた場所に、つねに、暴力を背景にして、強引に押しだされて来る人間の陥穿かんせい——この地方の人々が、この「顔」のために煩わされていることは、想像以上のようであった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)