“かんさい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乾菜10.7%
寛斎10.7%
関西10.7%
閑斎7.1%
奸才7.1%
干菜7.1%
葌斎3.6%
奸妻3.6%
完済3.6%
寒斉3.6%
寛哉3.6%
漢塞3.6%
簡斎3.6%
艦載3.6%
蕳斎3.6%
貫斎3.6%
鑑裁3.6%
關西3.6%
鹹菜3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他人ひとの喰べる物とは思われず、藤吉郎はあわててふたの上の杓子しゃくしをつかみ、大鍋の底をかきまわした。干栗かちぐり乾菜かんさいなどが交じっている玄米粥くろごめがゆであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この医者が宮川みやがわ寛斎かんさいだ。半蔵のふるい師匠だ。その時、半蔵は無言。寛斎も無言で、ただ医者らしく頭をまるめた寛斎の胸のあたりに、手にした扇だけがわずかに動いていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
東北とうほく地方は一躰いったい関西かんさい地方や四国しこく九州きゅうしゅうの辺とちがって、何だか薄暗い、如何いかにも幽霊が出そうな地方だが、私がこの夏行った、陸中国遠野郷りくちゅうのくにとおのごう近辺あたりも、一般に昔からの伝説などが多くあるところだ。
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
そのほか、越中守を見捨てて逃げた黒木閑斎かんさいは、扶持ふちを召上げられた上、追放になった。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
手傳てつだひ給はらば此方も大に仕合しあはせなりと言にぞ吾助は打歡びしからば仰の通り是より當分の内おやくには立まじきがお見世のお手傳てつだひ仕つらんと是より桝屋方に逗留とうりうして店の手傳ひなどけるに元より奸才かんさいに長し奴なれば手代の中に立まじり人の爲事なすことおのれ引取てする樣にはたらくゆゑ久藏は吾助の立振舞ふるまひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから豚の仔を丸ごと油で煮たのや、山羊の吸物の鍋や、干菜かんさい牛酪ぎゅうらくで煮つけた物だの、年数のかかった漬物だの——運ばれてくるごとに、三名は、その豪華な珍味の鉢や大皿に眼を奪われた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文化九年は蘭軒がために何か例にたがつた事のあつたらしい年である。何故かと云ふに、葌斎かんさい詩集に壬申の詩が一首だに載せて無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それは蘭軒の遺した所の葌斎かんさい詩集が、年次を逐つて輯録せられてゐて、此年の干支辛酉しんいうが最初に書中に註せられてゐる事である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
が、奸妻かんさいに悩まされ、病肺びやうはいに苦しまされ、作者と俳優と劇場監督と三役みやくの繁務に追はれながら、しかもなほこの嘲魔の毒手に、陥らなかつたモリエエルは、いよいよ羨望せんばうに価すべき比類の少い幸福者である。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今わが政府の内外債、がっして三千百二十万金余の借金くらいは、三年を出ずして人民よりこれをもって完済かんさいすることは容易ではありますまいか。
禾花媒助法之説 (新字新仮名) / 津田仙(著)
日影ひかげよは初冬はつふゆにはまれなるあたゝかさにそろまゝ寒斉かんさいと申すにさへもおはづかしき椽端えんばたでゝ今日こんにちは背をさらそろ所謂いはゆる日向ひなたぼつこにそろ日向ひなたぼつこは今の小生せうせい唯一ゆいいつの楽しみにそろ人知ひとしらぬ楽しみにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
寛哉かんさい蒔絵まきえの筒に、後藤彫ごとうぼりあゆの金具のついている二百両もする莨入たばこいれを芸妓おんなたちの中へほうった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その歩兵もわずか五千、絶えて後援はなく、しかもこの浚稽山しゅんけいざんは、最も近い漢塞かんさい居延きょえんからでも優に一千五百里(支那里程)は離れている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
この作者はしん袁枚えんばいで、あざな子才しさいといい、号を簡斎かんさいといいまして、銭塘せんとうの人、乾隆けんりゅう年間の進士しんしで、各地方の知県をつとめて評判のよかった人でありますが、年四十にして官途を辞し
米連側は、艦載かんさいの快速戦闘機をもって、対抗しているらしいが、見たところ、欧弗同盟軍の方が優勢らしい。米連の艦隊は、煙幕の中に隠れているが、その半数は爆撃のため損傷をうけ、傾いている。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
別号は蘭軒を除く外、蕳斎かんさいと云ひ、都梁と云ひ、笑僊せうせんと云ひ、又藐姑射はこや山人と云つた。蕳一に葌に作つてある。詩集の名の如きが即是である。又葌斎の篆印てんいんもある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
次いで同じ月の六日に、幕府はおん医師即ち官医中有志のものは「阿蘭オランダ医術兼学いたし候とも不苦くるしからず候」と令した。翌日また有馬左兵衛佐さひょうえのすけ道純みちずみ家来竹内玄同たけうちげんどう、徳川賢吉けんきち家来伊東貫斎かんさいが奥医師を命ぜられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「どうでしょう? あなたのご鑑裁かんさいは」
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
關東かんとうでは日光につこう鹽原しほばら關西かんさいでは京都きようと嵐山あらしやま高尾たかをなどは有名ゆうめいなものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
これは西洋料理のサラダが出るような場合で一番最後の御馳走です。これで三十六碗になりましょう。この外に四鹹菜かんさいといってこうものが四色出ますからんなで四十品です。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)