“かりん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花梨68.0%
火輪12.0%
花櫚8.0%
花林8.0%
榠櫨4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
プーンと醗酵はっこうしている花梨かりんれたかきは岩のあいだに落ちて、あまいさけになっている。鳥もえ、栗鼠りすものめ、はちもはこべと——。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は、その三重の帆を海鳥の翼のごとく広げ、しかもそれでも足りないで、両舷の火輪かりんを回して、やや波立っている大洋を、巨鯨きょげいのごとく走っているのだった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
一階大広間の九尺床は目の覚めるような紅花櫚かりんの一枚板、左右一丈二尺余の大柱は世にも珍しい鉄刀木の尺角、上から下まで精密な山水の総彫、多分は堀田瑞松あたりの仕事であろう。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
寂莫せきばくたる深夜——ふかがわ富ヶ岡八幡の社地に、時ならぬ冷光、花林かりんのごとく咲きつらなったのは丹下左膳、月輪軍之助、各務房之丞、山東平七郎、轟玄八、岡崎兵衛、藤堂粂三郎ら乾雲の一団が
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
左は湖水、右は榠櫨かりん畑、その上に月が懸かっていた。諏訪因幡守三万石の城は、石垣高く湖水へ突き出し、その南手に聳えていた。城下まち燈火ともしびは見えていたが、そのどよめきは聞えなかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)