“かりそめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仮初43.8%
苟且29.2%
假初15.7%
10.1%
仮染1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さるにても弓矢取る者の仮初かりそめにも乗るまじきは輿車ぞかし、思う仔細のある間、兎にも角にも藤の森まで参るようにと、輿を急がせた。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
父が後妻こうさいとし私がため繼母まゝはゝなりしも家は段々衰へて父は四年以前より苟且かりそめの病ひにて打臥うちふしたるが家の事打任うちまかせたる彼のお早どのは夫の病氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま友人の語つて居るやうに、此家ここの細君は確かにちがつた性質をつて居る。萬事が消極的で、自ら進んでどう爲ようといふやうな事は假初かりそめにもあつたためしがない。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
かりそめの旅の道伴みちづれでありながら、その死床に侍して、介抱をしたり、遺言を聞いてやると云ふことは、何と云ふ不思議な機縁であらうと、信一郎は思つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「わたくしもホンノ仮染かりそめの御識り合いでは御座いましょうが、心ばかりの御名残惜しみが致したいので御座いますからね。それくらいのおつき合いは、なすってもいじゃ御座んせん。爆薬ダイナマイトのお礼に……ホホ……」
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)