“からたちがき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
枳殻垣55.6%
枳殼垣44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十六七ぐらいに見える異様な洋服の少年が一人、柏木かしわぎの私のうち門口かどぐちに在る枳殻垣からたちがきそばに立っていたが、私が門口を這入はいろうとすると、帽子をいで丁寧にお辞儀をした。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お六の金をさらった雪之助は自分の家へ持込むのが不用心と思ったので一とまず枳殻垣からたちがき越しに、財布を隣の寺の境内に投げ込み、翌る日の朝行って始末をし、金は灯籠に
竹から竹を傳はつて枳殼垣からたちがきを越え、しひ滑降すべりおりて、下の往來に立つたのは、思ひも寄らぬ見事な體術です。
人のはひられぬ樣に厚い枳殼垣からたちがきを繞らして、本丸の跡には、希臘か何處かの昔の城を眞似た大理石の家を建てて、そして、自分は雪より白い髮をドッサリと肩に垂らして、露西亞の百姓の樣な服を着て
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)