“かやの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
萱野50.0%
茅野22.2%
蚊屋野11.1%
榧野5.6%
萱乃5.6%
草野5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いえ、上野や向島むこうじまは駄目だが荒川あらかわは今がさかりだよ。荒川から萱野かやのへ行って桜草を取って王子へ廻って汽車で帰ってくる」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その月二日に将軍家光に世子せいしが誕生した、水野けんもつ忠善はその祝儀として久能山東照宮へ石の鳥居を奉納することになり、茅野かやの百記はその事務がしらとして久能山へ出張したのである
日本婦道記:箭竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これより後、淡海の佐佐紀ささきやまの君がおや、名は韓帒からふくろ白さく、「淡海の久多綿くたわた蚊屋野かやのに、猪鹿ししさはにあり。その立てる足は、すすき原の如く、指擧ささげたるつのは、枯松からまつの如し」
「——熊田孫七はおらぬかっ。榧野かやの五助は何しておるっ。森本道徳どうとく、山岸監物けんもつ、はや出合え出合え。鳥飼とりがい平八っ、馬印をこれへ立てよ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
森権之丞、榧野かやの五助、鳥飼四郎大夫、山岸監物など、馬上、或いは徒歩かちなどで、総勢四百余人——それは当面の敵兵力の十分の一に過ぎなかったが、各〻の捨身の血相を持って
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいえ、でき合って、ずるずるに暮している萱乃かやのという女です。けれど、萱乃のいうような、そんな、私は悪い男じゃないつもりです」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど」それで仔細は分ったが、そう聞けば、萱乃かやのの恋もいじらしいものである。それを、男の国助は、ほかにも女があって、かくばかり萱乃を苦しませているのはよろしくない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これらどうやら上古蛇を草野かやのの主とし、野槌と尊んだとなえからあやまでた俗伝らしい。
これら美女、実は草野かやのの女王の娘どもで、各森林の精たり。その後今一度彼らの艶容を窺わんと、夜々脚を林中に運べど、処女も浴場も再び現われず、あてもない恋のほのおに焦れ死んだ。