“かっこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
確乎49.0%
括弧17.3%
掻込11.2%
羯鼓10.2%
恰好2.0%
下駄2.0%
各戸2.0%
確固2.0%
渇虎1.0%
駆込1.0%
駈込1.0%
駒下駄1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は働く能力を失い、一定の目的に向かって確乎かっこたる歩を運ぶの能力を失ってはいたが、しかし常にも増して明知と厳正とを持っていた。
すると、カヴァの中央に、やや小さい円形の力が落ちることになるから、当然その圧し出された水が、上向き括弧かっこ())の形になるじゃないか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
せっせと飯を掻込かっこんで居る恭二のピクピクする「こめかみ」や条をつけた様な頸足しを見て居るうちに、栄蔵の心には、一種の、今までに経験しなかった愛情が湧き上った。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
哀々あいあいたる銅角どうかくを吹き、羯鼓かっこを打ち鳴らし、鉦板しょうばんをたたいて行く——葬送の音楽が悲しげに闇を流れた。兵馬みな黙し、野面を蕭々しょうしょうと風もく。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんでもうち、……こないになったのん因果やさかい、……死んであんたにあやまります!」夫はビクリとして飛び上るような恰好かっこしましてんけど
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「こんな小さな下駄かっこ穿いて——」と復た、子の無い豊世がめずらしそうに言った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
住民は各戸かっこ蕎麦そば大豆だいずの若干量を紙袋に入れて持参し、帰りには牛王福杖ごおうふくづえなどを貰って来て耕地の端に刺す。ただその日その後で御狩を行うと、有田郡年中行事にあるのが、少しばかりかわっている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
恐らくは何人なんびとといえども、おのが身にかえりみてこの問題を提出したならば、確固かっこたる答えをし得るものはあるまいと思う。もし為し得る人があるとすればもって世人せじんに示して欲しい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
今度は忍足ではない、彼は堂々と裏へ廻ったが果して光は大きかった、これ実に暗黒洞中の一道の光明——渇虎かっこの清泉——。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
己に親孝行な娘が一人有っての、今年十七になるお久てえもんだが、今日吉原の角海老へ駆込かっこんでって、親父が行立ちませんから何うか私の身体を買っておくんなさい
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おやマア何とまア見違え申しやすようにでかくおなんなすってマア、何処においでなせえましたかえ、五六日めえに勇助どんがおらうち駈込かっこんで来ましてネ、お嬢さまは此方へねえかと云うから
「これは、これは、おうようこそや。……今の、あがばなを覗いたら、見事な駒下駄かっこがあったでの。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)