“かたは”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタハ
語句割合
不具24.3%
24.3%
片葉10.8%
片羽6.8%
6.8%
不具者6.8%
5.4%
片端5.4%
畸形2.7%
偏固1.4%
廢人1.4%
片刃1.4%
片翼1.4%
片輪1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一つ間違へば命も失はなければならん、不具かたはにもれなければならん、阿父さんの身の上を考へると、私は夜も寝られんのですよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
追駈おひかけ昌次郎と途中にて行違ひと成り梅一人河原にまち居たる所雲助風俗ふうぞくの者女を勾引かどはかし來り打叩くをかたはらにて梅は驚き迯出にげいだす所を又其者梅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少くとも保吉は誰に聞いたのか、狸の莫迦囃子の聞えるのは勿論、おいてき堀や片葉かたはよしも御竹倉にあるものと確信していた。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
よろしくまうされたりと、きみの前に出すを見給ひて、一三八片羽かたはにもあらぬはと興じ給ひて、又一三九さかづきげてめぐらし給ふ。
書肆はかたはら立派な果物罐詰類の店を出してゐる、進歩思想の商人である。此二人がプラトンに種々いろ/\の葡萄酒や焼酎を勧めて、プラトンは応接にいとまあらずと云ふ工合である。
板ばさみ (新字旧仮名) / オイゲン・チリコフ(著)
「先生は不具者かたはや乞食に惡口をいてはいけないと言つたのに、豐吉は那麽あんな事をしたのだから、たとひ豐吉が一番で私が二番でも、私より豐吉の方が惡い人だ。」
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
明日あしたになさいな、ねえ!』と久子がかたはらから言つた、『吉野さんも然う遊ばせな何卒。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
片端かたはという地名は一方が城の土居もしくはほりばたになっていて、片側しか人家のない道路であることを意味し、これも西国にはなくてこの辺から東には多い。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この兒をさほどしと思はゞ、直に連れて歸りても好し。若しあばら二三本打ち折りて、おなじやうなる畸形かたはとなし、往來ゆきゝの人の袖に縋らせんとならば、それも好し。
陸奧むつの国蒲生氏郷がまふうぢさとの家に、岡左内といふ武士もののふあり。ろくおもく、ほまれたかく、丈夫ますらをの名を関の東にふるふ。此のいと偏固かたはなる事あり。富貴をねがふ心、常の武扁ぶへんにひとしからず。
ペツポの叫びけるやう。うぬは盜人なり。我錢をぬすやつなり。立派に廢人かたはといはるべき身にもあらで、たゞ目の見えぬを手柄顏に、わが口に入らむとする「パン」を奪ふこそ心得られねといひき。
片刃かたはの太刀をひらめかす
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
片翼かたはになって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての魚屋が拾ってくれ、いまは三河島辺で、そのばさら屋の阿媽おっかあだ、と煮こごりの、とけ出したような
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われはお奈美様をこそ主人とも慕ひ、女神様とも仰ぎ来つれ。御身の如き片輪かたは風情の迷ひ猫を何条なんでう主人と思はむや。御身が此の馬十を憎み、疑ひのろへる事を、われ早くより察し居れり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)