“かざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カザシ
語句割合
40.0%
挿頭17.5%
揷頭7.5%
7.5%
7.5%
5.0%
釵子5.0%
插頭花2.5%
2.5%
2.5%
髮揷2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、この一廓ひとくるわの、徽章きしょうともいっつべく、峰のかざしにも似て、あたかも紅玉をちりばめて陽炎かげろうはくを置いたさまに真紅に咲静まったのは、一株の桃であった。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五百は呼名は挿頭かざしと附けられた。後に抽斎に嫁することに極まって、比良野氏の娘分にせられた時、かざしの名を以て届けられたのは、これを襲用したのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
死出しで」の揷頭かざしと、いついつもあえかの花を編む「いのち」。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
五百は呼名は挿頭かざしと附けられた。後に抽斎に嫁することに極まって、比良野氏の娘分にせられた時、かざしの名を以て届けられたのは、これを襲用したのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なまめかしい廂髪ひさしがみに美人草のかざしをさした千代子の姿がプラットホームに現われた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
源氏の紅葉賀もみじのが青海波せいがいはの巧妙であったことを忘れがたく思召おぼしめして、東宮が源氏へかざしの花を下賜あそばして、ぜひこの舞に加わるようにと切望あそばされた。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
有難味も真の値打ねうちも……。よろしい、こん夜ここでの楮幣は、明日、わしの佐女牛の屋敷へ持参せい。——わが家の倉にある伽羅きゃら、油、そうの薬、白粉、唐織からおり、珠、釵子かざし、欲しい物と交易こうえきしてやる。
かんむりには、插頭花かざしを付け、藤花ふじかおりをたもとに垂れ、おもてに、女のような粉黛ふんたいをなすくって、わいわいいっている公卿朝臣たちの——その何分の一かの人間は、要するに
たをれ、たをれ、かざし頭に
さかほがひ (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
花吹雪する真っ昼間、小町の方でほれたので、おれの方でもほれてやり、かむりのかざし落としたが、どうでも小町はいい女、柳の五衣に緋の袴、檜扇ひおうぎ持ったとりなりは、官女官女官女だア……
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と云れていと迷惑めいわくながらいやとも云ねば部屋へ行き今朝こんてうみせへ一にん醫師いしやの來たりしことよりして親公おやごのいかりに詮方なく向ふをことわり歸へりしまで一伍一什いちぶしじふをはなしけるにきく長三郎は宛然さながら髮揷かざしの花を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)