“おたまじゃくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御玉杓子40.0%
蝌蚪40.0%
蝌斗20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すういきおいである。勢を生む所は怖しい。一坪に足らぬ腐れた水でも御玉杓子おたまじゃくしのうじょうじょく所は怖しい。いわんや高等なる文明の御玉杓子を苦もなくひり出す東京が怖しいのは無論の事である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
田の水の浅いところに、蝌蚪おたまじゃくしが沢山かたまっている。あのやがて消え去るべき短い尾を動かすたびに、田の水にささやかな濁りが立つ。大まかなようで繊細な趣を捉えたものである。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
低味ひくみ畦道あぜみちに敷ならべたスリッパ材はぶかぶかと水のために浮き上って、その間から真菰まこもが長く延びて出た。蝌斗おたまじゃくしが畑の中を泳ぎ廻ったりした。郭公ほととぎすが森の中で淋しくいた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)