“えびす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エビス
語句割合
33.0%
恵比寿12.4%
蛭子10.3%
恵比須10.3%
6.2%
夷子4.1%
胡族4.1%
胡夷3.1%
3.1%
恵美須3.1%
蝦夷2.1%
北夷2.1%
俘囚1.0%
夷蛮1.0%
1.0%
羗胡1.0%
胡人1.0%
胡北1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平和にんでいた高原の猛兵は、孔明の名を聞いても、どれほどな者か知らなかったし、その武器は、えびすには似ず精鋭だったので
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
系図を言えばたいうち、というので、系図鯛けいずだいを略してケイズという黒い鯛で、あの恵比寿えびす様が抱いていらっしゃるものです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「それじゃアあねごの思惑通り、こっちへさらわれて来たんだな」腕に蛭子えびすの刺青のある小頭の蛭子三郎次である。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「けれども面白いんですよ。釣竿さえ持っていればニコ/\ものです。あれで鯛を釣って来れば真正ほんとうのお恵比須えびすさんでさあ」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「十日えびすの、売り物は」上りはなの二帖へいって、重吉は外を眺めながら、調子の狂った節で低くうたいだした、「——はぜ袋にとり鉢、銭かます、小判に金箱」
ちゃん (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
三寸の地球儀、大黒だいこくのはがきさし、夷子えびすの絵はがき、千人児童の図、八幡太郎はちまんたろう一代記の絵草紙えぞうしなど。いとめづらし。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
西羗せいきょう鼠賊そぞくが、権者の鎧甲がいこうを借りて、人に似たる言葉を吐くものかな。われはただ今日を嘆く。いかなれば汝のごとき北辺の胡族えびすの血を、わが年来の晃刀こうとうに汚さねばならぬか——と。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西涼の生れというから、胡夷えびすの血をまじえているにちがいない。その皮膚の色や髪の毛がそれを証拠だてている。すなわち、龐徳ほうとくあざなは令明。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とりわけ、えびすが好んで吹く、という笛を聴くたびに、郷愁はますばかりで、ついには、思慕の悲しさから、みずから十八曲を作曲した。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし一方には恵美須えびすのような新らしい神の倶通ぐつうがあり、また一方には中央に気づかれずに、遠い昔のままの海の祭をしている例が、こちらでもまだ確かに見出される。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
蝦夷えびすどもをたいらげながら、常陸ひたち新治にいばり筑波つくばを通りすぎて、ここまで来るのに、いく夜寝たであろう」
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
貞任はもと長髄彦の兄たる安日の後裔だと伝えられていて、明らかに俘囚えびすの族であったから、長髄明神の名からこの説があるのも無理はない。
手長と足長:土蜘蛛研究 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
また阿倍氏は、大彦命の子孫だとして著名ではあるが、その一族として知られたものの中には、俘囚えびすの家柄も少くない。
手長と足長:土蜘蛛研究 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
天子が、それがしを、ご陣中へお遣わしなされたのは、何の異変も都にあるわけでなく、夷蛮えびすの熱地を征く将士の労をおしのび遊ばされ、成都の佳酒かしゅ百駄を軍へご下賜あらせられました。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを当時の記録には、「この年外が浜のえびすシャモとなる」とも、「外が浜の狄をシャモに仕る」とも書いてあります。
本州における蝦夷の末路 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
夏侯楙と馬遵は、施す策もなく、わずか百余騎をひきいて、北門から逃げ出し、ついに羗胡えびすの国境まで落ちて行った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは都人みやこびとの顔の好みが、唐土もろこしになずんでいる証拠しょうこではないか? すると人皇にんおう何代かののちには、碧眼へきがん胡人えびすの女の顔にも、うつつをぬかす時がないとは云われぬ。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
けれど、装備の悪い地方郷党軍と、完全な装備を持った胡北えびすの猛兵とは、とうてい、比較にならなかった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)