“うなじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウナジ
語句割合
48.0%
46.6%
海路1.1%
1.1%
0.4%
後脳0.4%
後頸0.4%
背頸0.4%
項頸0.4%
頚条0.4%
頸筋0.4%
頸足0.4%
首頸0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ウーム……そうか」と、越前守は、うなじの毛が二人に見えるほど深くさし俯向いた。——沈思、ややしばらくの後、こういい渡した。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると父は突嗟とつさに振向きしなに人力車夫のうなじのところをつかまへて、ぐいぐい横の方に引いたから人力車がくつがへりさうになつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
おれは中でも、あの大伯おおくの幼い顔を見るたびに、心が痛んでならぬ。あの子は、もちろんお主も知つてのとほり、宝ノ太后おばばが西へ征かれた途中の海路うなじで、大田が急に産気づいて生みおとした娘だ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
これを例するに日本の女の物思ふ時片手の上にうなじささへ物かんとする時ひざまづきたるももの上に両手を置きややななめに首を傾けて物いふさまその消行きえゆくが如き面影おもかげのいかに風情ふぜい深きや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そはが事を言ふならんとやうに、荒尾はうなじそらしてののめき笑ひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かかるも彼はおのづと思に沈みて、その動す手もたゆく、裂きては一々読むかとも目をこらしつつ。やや有りて裂了さきをはりし後は、あだかもはげしき力作につかれたらんやうに、弱々よわよわと身を支へて、長きうなじを垂れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何んだか私は恍惚うっとりとして、彼女の胸の上へ後脳うなじを当て何時迄も黙って居りました。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貞世はひときわ背たけが縮まったように小さく丸まって、座ぶとんに顔をうずめていた。ひざをついてそばによって後頸うなじの所にさわってみると、気味の悪いほどの熱が葉子の手に伝わって来た。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
背頸うなじまで貫いて立っていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
氏郷に毒を飼ったのは三成のざんに本づくと、蒲生家の者は記しているが、氏郷は下血を患ったと同じ人が記し、面は黄に黒く、項頸うなじかたわら、肉少く、目の下すこ浮腫ふしゅ
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小平太はふたたび「はッ」と言ったまま、頸筋うなじを垂れて、じっと考えこんでしまった。そこまで知っていられては、もう是非ぜひがない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
見れば澄江も眠られないと見えて、そうして恐怖に襲われていると見えて、こっちへ細い頸足うなじを見せ深々と夜具にくるまったまま、溜息を吐いたり顫えたりして、夜具の中で蠢いていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、首頸うなじを叩いた。庄吉が、振向いて、自分の腕を叩いた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)