“うづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウヅ
語句割合
44.9%
25.1%
11.2%
4.3%
巴渦3.2%
2.7%
2.1%
烏頭1.6%
1.1%
0.5%
渦潮0.5%
渦紋0.5%
0.5%
盤渦0.5%
螺旋0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わづかに六畳と二畳とに過ぎない部屋は三面の鏡、二脚の椅子、芝居の衣裳、かつら、小道具、それから青れた沢山たくさん花環はなわとでうづまつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
一枚のドアが開いてゐるのだ、それはロチスター氏の部屋の扉であつた。そしてうづまく煙は一かたまりになつて其處から吹き出してゐるのだ。
乳母 はれ、頭痛づつうがする! あゝ、なんといふ頭痛づつうであらう! あたま粉虀こな/″\くだけてしまひさうにうづくわいの。脊中せなかぢゃ。……そっち/\。
むかしに返し得べき未練の吾に在りとや想へる、愚なる精衛のきたりて大海だいかいうづめんとするやと、かへりてかたくなに自ら守らんとも為なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あつく灼熱した頭の中に病妻とかの女との二つの姿が混乱して巴渦うづを巻いてゐる時にも、いろ/\の思ひを抱いて——時にはその身の不徳を責め
あさぢ沼 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
猫をうづをはつた時、飯が熟し天麩羅が来た。二人は飽くまで食つた。楊庵は大食の癖があつて、酒をたしまなかつた。僕はそれを知つてゐたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
船がかりする商人あきうどうづの寶を奪りはすれ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
芳香ある花柚はなゆや、猛毒ある烏頭うづは、春季には開花せぬものであるけれども、同じく花時に於て其の芳香をも猛毒をも其の花に存して居るがごとく、草木は其の開花抽芽の時に當つては
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
入江に高くうづかれて
はめつ (新字旧仮名) / 渡久山水鳴(著)
かんなを持つては好く削らんことを思ふ心の尊さは金にも銀にもたぐへ難きを、僅に残す便宜よすがも無くて徒らに北邙ほくばうの土にうづめ、冥途よみぢつとと齎し去らしめんこと思へば憫然あはれ至極なり、良馬しゆうを得ざるの悲み
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
湖水全體が一團となつて恐ろしい大きな渦紋うづを卷くかと思はれる。恐ろしい唸り聲を立てるかと思はれる。周圍を繞らしてゐる崖を削り、突裂いても、脱れ出る途の方へ向ふ。
霧の旅 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
二十年はたとせにあまるいつとせになるといふみほぎのにはに差せる光やうづのみひかり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
盤渦うづきかへりほとばし
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
そのときはもうまつ先の烏の大尉は、四へんほど空で螺旋うづを巻いてしまつて雲の鼻つ端まで行つて、そこからこんどはまつぐに向ふのもりに進むところでした。
烏の北斗七星 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
くわいのボロくづのやうに欄干にうづくまつて、最早息があらうとも覺えず、生命の最後の痙攣けいれんが、僅かにその四に殘るだけです。