“いとこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イトコ
語句割合
従兄18.0%
従弟16.7%
従兄弟15.9%
従妹14.1%
従姉8.4%
従兄妹6.6%
従姉妹3.8%
從兄2.6%
從妹2.6%
從兄妹2.6%
從兄弟2.3%
從姉1.1%
從弟0.9%
從姉妹0.9%
従姉弟0.8%
糸子0.4%
従同胞0.2%
從兄姉0.2%
中表0.2%
外姉0.2%
徒兄0.2%
徒弟0.2%
従兄姉0.2%
従兄子0.2%
従姉兄0.2%
従弟妹0.2%
従柿妹0.2%
義従弟0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……従兄いとこの秋作の意見では、こんな機会にすこし世間を見て置くほうがいいだろうというので、あてなしに旅行をしていたんですの。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
煖炉ペチカのなかで、コオロギが鳴く。となりの部屋では、ドアごしに、主人と従弟いとこのアファナーシイのいびきが、をおいてきこえる。
ねむい (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
主君の信長の従兄弟いとこにあたる名古屋因幡守から、この末臣の家へ、直々じきじきに状を持たせて使いをよこすなどは極めて稀れなことである。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従妹いとこたちがどの様にうらやましがるだらう、折角美事に出来て居るものだから惜しいけれど是非二三本はいて御馳走ごちそうせねばなるまいなどと。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
信仰のあついHさんの従姉いとこは、久しく肉の汚れに染められた聖堂のなかを、一まづ清掃してはどうかと司祭さんに提議したのでした。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
丈太郎とは従兄妹いとこ同志、生れ落ちるからの許嫁いいなずけで、二十歳はたちになったら一緒にと、親達の間で極められた二人の運命だったのです。
お俊は最早もう気が気でなかった。母は、と見ると、障子のところに身を寄せて、聞耳を立てている。従姉妹いとこ長火鉢ながひばちの側に俯向うつむいている。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ヂュリ ほんにロミオのかほを……死顏しにがほを……るまでは、わたし如何どうしてもこゝろいさまぬ、從兄いとこがおにゃったのが、それほどこゝろみてかなしい。
若しあなたと私とが、始終しよつちゆう一緒に暮らすやうに定められてゐたのだつたら、從妹いとこよ、私共は、今とは異つた足場に立つて事をはじめたでせうよ。
伯母さまは、昨夜あんたがお夕飯に下りていつた時に、私の寢床ねどこに來て、私が朝、伯母さまや從兄妹いとこたちを騷がせるには及ばないと云つたんですもの。
同時どうじに、一藝いちげいたつした、いや——從兄弟いとこだからグツとわりびく——たづさはるものの意氣いきかんじた。神田兒かんだつこだ。かれ生拔はえぬきの江戸兒えどつこである。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かういふ最初の記憶はウオタアヒアシンスの花の仄かに咲いた瀦水たまりみづそばをぶらつきながら、從姉いとことそのせなに負はれてゐた私と
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
すませ立ち歸る時に又叔母をばのお早を尋ねしになほ段々だん/\難儀なんぎはなしをなす故見捨難く近所へあつれいを述べ直に越後へ連歸つれかへりぬ扨傳吉はまづしくらしの中にて叔母と從弟いとこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いづれ本人達の望みもたしかめた上、妹娘のお鳥に娶合めあはせるか、それとも、一度は髮まで切りましたが從姉妹いとこのお銀と一緒にして世帶を持たせるか——まア、そんなことはかないで下さい。
それは、この母の従姉弟いとこに、今は、奥州みちのくの藤原秀衡ひでひらのもとにひそんでいる源九郎義経よしつねがあり、また、近ごろ、伊豆で旗挙げをしたと沙汰する頼朝がある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主命しゆうめいりて糸子いとこ縁談えんだんの申しこみなるべし、其時そのとき雪三せつざう决然けつぜんとせし聲音こわねにて、折角せつかく御懇望ごこんもうながら糸子いとこさま御儀おんぎ他家たけしたまふ御身おんみならねばおこゝろうけたまはるまでもなし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
叔父は、叔母や従同胞共いとこどもを愛してゐたとは思はれぬ。叔母や従同胞いとこ共も亦、叔父を愛してはゐなかつた様である。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時としては、従同胞いとこ共が私の家へ遊びに来る。来るといつても、先づ門口へ来て一寸々々ちよいちよい内を覗きながら彷徨うろうろしてゐるので、母に声を懸けられて初めて入つて来る。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「では、あなた方は、三人とも、私の從兄姉いとこでゐらつしやるのですね。私たちお互の血の半分は、一つのみなもとから流れて來てるのですね?」
しかし、リードは子供達をのこしてゐたでせう?——あなたには從兄姉いとこがある筈でせう。
「僕が宰相になったなら、張兄を南方の巡撫にし、中表いとこを参軍にしよう、我家うちの年よりのげなん小千把しょうせんはになるさ、僕の望みもそれで足れりだ」
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「私は幼な名を阿英あえいというのです。家には兄弟もありません。ただ外姉いとこの秦が同居しているばかりです。」
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
第一は番頭の勘三郎、三十五にもなる獨り者で、内儀の遠縁とかまた徒兄いとこに當ると言ひますから、主人の山三郎にうらみがないとは言へません。
金のありさうな大店おほだなの二男坊を養子にと心掛けてゐるうち、このお絹は遠い徒弟いとこで、小橋屋へ足繁く出入りする、伊三郎といふ若い男と出來てしまつたのです。
すると、親戚としてではなく客として迎えられた——がもとよりその晩餐には、儀式ばった接待以外の金目かねめはかけられていなかった。子供たちはその従兄姉いとこらに会った。
もう、大したことはないんだけれど、一時ひとしきりは大病でね、内の病院に入っていたんです。東京で私が姉妹きょうだいのようにした、さるお嬢さんの従兄子いとこでね、あの美術、何、彫刻師ほりものしなの。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたし従姉兄いとこに当たりますの」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
病中病中といっていたが不審のかどがあるので、従弟妹いとこにあたる娘をおどかしてついに真相を聞き出したというのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首と手足の太い英吉利イギリス女なんかがそのまま故国くに従柿妹いとこへ郵送出来るように、一、二輪ずつ金粉煙草ゴウルド・フレイクスの空缶へはいって荷札までついていて、値段は五十フランです。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
栄一は困つたことが出来たと思つて、義従弟いとこ岡田を顧みて——