“いつも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
平生25.4%
24.6%
平常16.0%
平時6.7%
平素6.4%
平日4.8%
毎時2.4%
常時2.4%
何時1.9%
例年1.3%
毎度1.3%
例日1.1%
日常0.8%
常例0.8%
0.8%
定時0.3%
何日0.3%
例刻0.3%
恒常0.3%
日課0.3%
日頃0.3%
毎〻0.3%
毎夕0.3%
毎夜0.3%
毎常0.3%
毎朝0.3%
毎歳0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燈火の加減でか、平生いつもより少し脊が低く見えた。そして、見慣れてゐる袴を穿いてゐない所爲せゐか、何となく見すぼらしくも有つた。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
三四郎はこれで云へる丈の事をことごとく云つた積りである。すると、女はすこしも刺激に感じない、しかも、いつもの如く男を酔はせる調子で
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
幸吉こうきちは、またかわいそうに、自分じぶん平常いつもジャックをかわいがってやるものだから、たすけてくれるとおもって、うち物置ものおきにきてかくれたのだ。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一時ひとしきり騒々さう/″\しかつたのが、寂寞ひつそりばつたりして平時いつもより余計よけいさびしくける……さあ、一分いつぷん一秒いちびやうえ、ほねきざまれるおもひ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
美奈子は電車が、平素いつもの二倍もの速力で走つてゐるやうに思つた。彼女は、最後の一瞥を得ようとして、思ひ切つて顔を持ち上げた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
いや、有難う。』と竹山は例になく禮を云つたが、平日いつもの癖で直ぐには原稿に目もくれぬ。渠も亦平日いつもの癖でそれを一寸不快に思つたが
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それにお島は今月へ入ってからも、毎時いつものその時分になっても、まだ先月から自分一人の胸に疑問になっている月のものを見なかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一時劇しい興奮の状態にあった頭が、少しずつしずまって来ると、先生は時々近親の人たちとことばを交しなどした。その調子は常時いつもと大した変りはなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
知られる樣になる斯の如くして馴染なじみが出來るとくづを買求かひもとめらるゝなりさうさへすると先々で何時いつものくづ屋さんがきたから最早申刻なゝつどきならん夕膳ゆふぜんの支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、今夜は例年いつもの暦屋も出ていない。雪は重く、降りやまなかった。窓を閉めて、おお、寒む。なんとなく諦めた顔になった。注連繩しめなわ屋も蜜柑屋も出ていなかった。
雪の夜 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ぢい、そんでもちつた鹽梅あんべえよくなつたやうだが、いたかねえけえ」おつぎは毎度いつものやうに反覆くりかへしていた。言辭ことばやはらかでさうしてうるんでた。卯平うへい火傷やけどへもあぶらられてあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
だから、今日も、彼は例日いつものように、いや、むしろ今日は進んでこの電気風呂へやって来たのだった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
山の手線はまだ世間一般によく知られていないので、客車はほとんど附属つけたりのような観があった、列車の遅刻はほとんど日常いつものこととなっていた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
ああ千代子は大槻と同じ室に乗るために常例いつもの室をやめたのではあるまいか、千代子はフトすると大槻と恋に陥ったのかも知れない、千代子は大槻を恋しているに違いない。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
由三は此のくわん門を通り抜けて、森川町から本郷通りへブラリ/″\進む。雑踏ひとごみなかちよつと古本屋の前に立停ツたり、小間物店や呉服店をチラとのぞいて見たりして、いつものやうに日影町ひかげちようから春木町に出る。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
通いで来る嘉助親子も、東京の客が発つというので、その朝は定時いつもより早く橋を渡って来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「いや、自分以上の空想を抱いて、この家をこわしかけているのだ」と思った。彼は、自分の子が自分の自由に成らないことを考えて、その晩は定時いつもより早く、可慨なげかわしそうに寐床ねどこへ入った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かぶりて馬にのりつゝ是々馬士まごどの今夜は何だかさびしい樣だ何日いつも寅刻頃なゝつごろには徐々そろ/\人の往來ゆきゝも有のに鮫洲から爰迄こゝまで來中くるうちに一人も逢ぬ扨々さて/\さびしいことだぜ馬士まごアイサ此節は人通りが少無すくなくなつて否はや一かう不景氣ふけいきなことさ品川歸りも通らねえ隨分ずゐぶん氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この人が森彦だ——お延の父だ。その日は、お房が入院してから一週間余に成るので、森彦も病院へ見舞に寄って、例刻いつもよりは早く自分の娘の方へ来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
而も其結果は恒常いつも、判で捺した様に、唯一の「死」。其死の形式は、斬殺、刺殺、銃殺はむしろお情けの方で、時には鬱憤晴し、時には衆人みんなへの見せしめに、圧殺、撲殺、一寸試しや焚殺も行われる。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
「もしお前の手に合わなくなったら、その時わしを呼ぶがいい。それまではどれいわやの奥で日課いつもの昼寝をするとしようか」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次は日頃いつもになく尻込みをしております。
好い事は毎〻いつもひとに奪られ年中嬉しからぬ生活くらしかたに日を送り月を迎ふる味気無さ、膝頭の抜けたを辛くも埋め綴つた股引ばかり我が夫に穿かせ置くこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
同市で最高の発行部数を有するトレド「通信蜂ニュウス・ビイス」紙で、毎夕いつものようにコウツは、晩食後自分の居間に引き篭って最終版ファイナルの新聞に眼を通しているのだが、その、求職、求人、売家
斧を持った夫人の像 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
歩くでもなく、進むでもなく、何ものかに引かれるように、何ものかに押されるように、毎夜いつものように、ここまで来てしまったのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
犬や猫が、主人も大分開けて我党に近くなった、頗話せると云った様な顔をして、主人の顔と食卓の上を等分に見ながら、おとなしく傍に附いて居る。毎常いつもの夕飯がうまく喰われる、永くなる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
新座敷の方の庭から、丁字形に入込んでいる中庭に臨んだ主人の寝室ねまを、お島はある朝、毎朝いつもするように掃除していた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「女王」といふのは毎歳いつもの村祭に、山車だしの上にさつて花輪を捧げ持つ、子供達の王様を謂ふのでした。
女王 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)